「現在JASRACから音楽を守る党の設立準備を進めております」――。
ツイッター上でこうつぶやいたアカウントが1万リツイート以上され話題を呼んだ。

「JASRACの不当行為を是正するための政治団体」の設立に向けて動き始めている男。
音大を卒業し、会社経営の傍ら、クラリネット奏者でもある工藤尚規(なおき)さん。
彼は2019年7月26日、電話口で、その構想案をJ-CASTニュース編集部に明かした。

7月24日、ツイッター上で、「JASRACから音楽を守る党 設立準備会」というアカウントが、「現在JASRACから音楽を守る党の設立準備を進めております。準備会の公式サイトは明日(25日)公開予定です。宜しくお願い致します」と呟いた。
そのツイートは瞬く間にリツイートされ、26日現在1万2000を超えている。

この投稿には多数のリプライやDM(ダイレクトメッセージ)が寄せられ、「様々な意見を頂いており、参考にしたいと考えております」とウェブサイトの公開を29日に延期したほど反響が寄せられたという。

発起人の工藤さんは音楽大学を卒業し、その後中古パソコンなどの買取・販売やアーティストマネジメントなどを行う合同会社「初音(はつね)」の代表である。
アニメ・ゲームの演奏会の企画に加え、YouTuberとしての一面ももっている。

「自分自身が音楽大学を卒業している関係で、音楽の仕事もやっている。その時にコンサートを企画したりCDを作ったりだとか、音楽を配信するときに、JASRACに申請をだす。そこでJASRACに申請する側として、お客さんの立場として、『どうしてこんな著作権料の取り方をするのだろう』と思うところがあった」と自らのJASRACとのかかわりが、疑問をもつきっかけとなったという。

なぜ活動を始めようと思ったのか。
そこには21日投開票の参院選比例区で1議席を獲得した「NHKから国民を守る党(以下N国)」の影響があったという。

「はい。それは確実にあります」と工藤さんは電話口ではっきりとN国から影響を受けたと話した。
「『JASRAC問題』はJASRACが音楽教室に著作権料を請求しているような問題が起き始めたころから『何かできないかな』という思いがあって、『N国』は以前から知っていたので、(2019年の)参院選までの活動1カ月くらいを見て、同じようなことができないかなという思いで(政党を)つくろうとしている」

N国から1つの目的に向かって、改善などを求める点で影響を受けているそうだ。
今のところ1人で活動をしている工藤さんは、29日に公式サイトを公開。
その後、「JASRACのやり方に不満を持つ人」を募り、情報を集め、「精査」するという。

「アーティスト・音楽家」「JASRACに務めている(いた)人」「JASRACから徴収されているユーザー」などだ。
そして、「支援者」も同時に募る。

自分の中で洗い出されている「問題点」はホームページに訴えていくつもりだ。
工藤さんは口酸っぱく「JASRACの解体を目的にしている訳ではない」という。
「JASRACの問題を法律改正により改善したいという想いがあります」と焦点は法改正のようだ。

改善したい、是正しなくてはならない問題を3つあげた。
(1)音楽教室の著作権料支払い問題
(2)包括契約の問題
(3)著作権料の支払いに関する問題

工藤さんは「自身が経験したこと」として、コンサートなどの「座席数による著作権料の支払い請求問題」を挙げ、「現在、コンサートにおける著作権料の支払いは座席数で決められています。これは音楽家の支出を増やし活動を阻害している一因でもあります。満席にならないコンサートがかなりの割合ありますが、支払いは満席である事が前提で請求されます。本来はチケットの売れた枚数、入場者数でカウントすべきものだと考えております。著作権等管理事業法の改正で是正したいと考えております」と述べた。

ツイッターのアイコンは「J音党」。読み方はまだ決めていないという。
アカウント名の「設立準備会」という表記について「本当に党として活動するときに外す」と述べた。

資金が集まらなければ「素直に受け止めて、解散する」らしい。
「長い時間をかけて国政選挙へ向けて準備」をしていくそうだ。

▽記事内容を一部引用しました。全文はソースでご覧下さい
https://www.j-cast.com/assets_c/2019/07/news_20190726195530-thumb-autox380-162286.jpg
https://www.j-cast.com/2019/07/26363676.html?p=all