渦中の吉本興業に「クールジャパン」で巨額の税金が注ぎ込まれていた これが安倍政権の「成長戦略」? 7.27

「こんな会社に多額の税金を投入していいものか」 経済産業省関係者はそうこぼす。

官民ファンド「クールジャパン機構」が、吉本興業がかかわる事業に多額の出資を繰り返してきたというのである。
2013年に安倍政権の成長戦略の目玉として設立。現在は、世耕弘成経済産業相のコントロール下にある。

2018年。吉本興業が参加する大阪城公園でのエンターテインメント発信事業に対し12億円投資。
大阪城公園内には「クールジャパンパーク」なる施設が開場、所属芸人の公演などがこの夏も実施されている。

そして今年4月、100億円という大口出資が決まった。前出の経済産業省関係者が語る。

「闇営業問題で何とか早期幕引きを図ろうとしたのも、なかなか記者会見をしなかったのも、こうした政府系の出資事業があったからだ。
とくに今年の事業は、これまでとは規模が違う。
予算の桁も違うし、しかもこれまでのようなお笑いライブ主体の路線とは違って、対象となるのは子供たちやその母親たち。

このタイミングで、反社会的勢力とのかかわりや杜撰な管理体制がクローズアップされてはたまらないということだ。
だが、問題にフタをしたまま吉本が教育関連事業に関わることは、国民が許すまい」

政府関係者はこんなコメントを寄せた。「安倍首相当人が吉本を気に入っているから、どうしようもない。世耕さんもノーとは言えないだろう」

今年4月、吉本興業の「なんばグランド花月」で行われた吉本新喜劇に安倍首相がサプライズ出演。
大阪で開催されるG20を周知。
6月には、官邸を訪問した吉本新喜劇の出演メンバーらを歓待。

クールジャパン機構は毎年のように赤字を計上。
その損失を埋めるかのように、政府の出資額は586億円から721億円へと積み増されている。累積赤字は178億円。

「財源が足りない分野は、年金のほかにも多々ある。とくに生活保護費のカットが問題視されている。政府は3年かけて段階的に年160億円削減する方針を決めた。
しかしクールジャパン機構の累積赤字額はこの金額に相当するどころか上回っている」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66126