東映動画(現・東映アニメーション)のことが描かれているNHK連続テレビ小説『なつぞら』でもモチーフとして登場した、日本初の長篇カラーアニメーション映画『白蛇伝』のデジタル復元版が、現在、国立映画アーカイブで開催中の企画上映「逝ける映画人を偲んで 2017-2018」(2019年6月29日[土]〜9月1日[日]) にて、4K DCPで世界初上映される。上映日時は、各回『天までとどけ』(1979)と併映で、7月21日(日)13時と 8月20日(火)15時の2回のみ。

今回の『白蛇伝』のデジタル復元版は、国立映画アーカイブが東映、東映アニメーションと三者共同で、2018年に東映所蔵のオリジナルネガから復元したもので、4K DCPで鮮やかにスクリーンで上映されるのは世界初だそうだ。

『白蛇伝』(はくじゃでん)は、中国に古くから伝わる伝記で、白蛇の化身・白娘(パイニャン)と恋人・許仙(シュウセン)の愛が描かれており、当時、東映アニメーションが制作し、東映が1958年に公開。今回の共同復元では、現存するセル画などの関連資料を参照しながら、色彩調整、色ムラ・フリッカー(ちらつき)の除去、黒コマの修正、縦キズの除去などが行われた。

可能な限り公開当時の映像を再現し蘇った本作は、第72回カンヌ国際映画祭(2019年5月 14日[火]〜25日[日])のクラシック部門で2K DCP版で上映され、上映後に拍手喝采が巻き起こるほど盛り上がった作品だ。

復元作業に携わった国立映画アーカイブの大傍正規主任研究員からも4KDCP版上映について以下のコメントがある。

「東映株式会社が<東洋のディズニー>を目指し、国内初の本格的な動画スタジオを立ち上げて製作した『白蛇伝』の公開当時の色彩を鑑賞することのできる、またとない機会です。ぜひ、2Kの約4倍の解像度を持つ4K DCPの上映で、オリジナルのフィルムが持っている色彩豊かな、本来の映像美に触れて頂きたい。セル画の質感はもちろん、東映動画スタジオのスタッフの手仕事の痕跡まで顕わになっているのも、見所の一つです」

2年振りに開催されている「逝ける映画人を偲んで 2017-2018」では、日本映画史にその名を残しながらも逝去された映画人の方々を追悼する意を込めて、それぞれの代表的作品が上映されている。スクリーンで観るからこその迫力をこの機会に堪能しておこう。

7/19(金) 13:05配信 アニメージュ プラス
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