結局、この作品は自身の言動がそのまま我が身に返ってくる『因果応報』の物語でもあるよね。

姑のお清は、家の切り盛りから子育てまで、田倉家の家柄や「ほぼ武士に近い豪農」という矜恃に拘った結果、最も可愛がっていた三男がその矜恃を貫いて自害。
兄の庄治と嫁のトラは、父と母(舅と姑)に行った惨い仕打ちを、息子夫婦が果樹園を抵当に入れて出奔するという形でダイレクトに返される。

おしんもまた『因果応報』を幾度となく味わうけれど、最終的にその連鎖を善行という形で断ち切っていく。