■野球界は全体で議論をすべき

――東京五輪では野球は正式競技になりましたが、次のパリ大会は採用されませんでした。野球に対して今後、どのような期待を抱いていますか。

高校野球も含めて野球は大好きなスポーツの1つです。残念ながら2024年のパリ大会では、野球は採用されませんでした。それはなぜなのかを野球界全体で議論すべきだと思います。
「野球離れ」も深刻です。プロ野球から少年野球まで、日本にはいくつもの野球の団体があります。どこで何を議論すればいいのか、わからないのが現状です。
みんなが集まって「野球総会」のようなものを開くべきではないでしょうか。

――新潟県の「球数制限」は、少年野球から高校、大学、社会人、独立リーグまで新潟県野球界の総意として導入が決定された背景もあります。

「それを日本高野連はなぜ認めなかったのか」という疑問はありますね。全体に諮ったら、そういう意見がマジョリティになることはないでしょう。
私は、新潟県は「このままでは野球はまずい」という危機感があって「球数制限」の導入を決めたと聞いています。「チャレンジしてみよう」ということだったと思います。日本高野連には、それに対する代替案はあるのか?  
あるとすれば、それは何なのか?  野球人口が減っている中で、どういう対策を打つのか?  その部分が見えません。野球界はもっと危機感を持ったほうがいいと思います。

先日視察したキューバでも公園などで野球をするのを見なくなったと聞きました。サッカーの方がボール1つでできますし、子どもも大人もテレビでサッカーを見ている。
野球はグローブなど用具にお金もかかります。キューバですらそういう状況です。キューバは「ベースボール5」という手打ち野球の普及を国を挙げてやっています。

野球界は「野球の未来」というキーワードでそれぞれが考える必要があるでしょう。
「球数制限」の問題も、そこにつながっていると思います。

東洋経済 6/29(土) 6:10配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190629-00288023-toyo-soci&;p=1