「ものすごく大事に預けられた役柄。ずっと死に物狂いでやってきた」。そう語るのは、1995年公開の劇場映画『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』からルパン役を演じている栗田貫一。ルパン役の“先代”山田康雄が急逝し、かねてよりルパンのモノマネをしていた栗田が「できるわけがない」という戸惑いのなかで大役を受け取った。「当初は声優の勉強もしたことがなかった」と振り返るが、今年でルパンを演じ続けて24年。「だんだん山田康雄さんのルパンのマネではなく、ルパンを演じればいいんだと思えるようになった」とルパンファミリーの先輩声優の支えや、海外ドラマ「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲」など声優経験を積むなかで、変化が生まれたと明かす。シリーズ最新作『LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘』も本日より公開されたなか、ルパン役への想いを聞いた。

『LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘』は、スタイリッシュかつハードボイルドなタッチで人気を博した小池健監督による『LUPIN THE IIIRD』シリーズの第3弾。セクシーでキュートな「ルパン三世」シリーズのミューズ、不二子が絶体絶命の危機に陥る姿を描く。栗田は「不二子はスパイ的な女だけれど、今回はそんな彼女が、“真実の愛”に弱い部分を見せる。不二子の心の揺れが出た作品」と本作の魅力を分析する。

■ 「沢城みゆきは、あっという間に不二子になった」

2011年には、石川五ェ門役が浪川大輔、銭形警部役が山寺宏一、峰不二子役が沢城みゆきへと声優陣が一新された。本作のメインキャラクターとなる不二子役の沢城については「沢城みゆきという人は、あっという間に不二子になってしまった。増山(江威子)さんの不二子とはまったく違うんだけれど、不二子として成立している。これが沢城みゆきという人のすごいところ」と大絶賛で、「浪川くんも、山ちゃんもそう。あっという間にそのキャラクターになった。やっぱりこの3人は、いまの時代の超レジェンドたちなんだなと思う。新しい家族でスタートしている気がしてね。ファミリーっていいなと思う」とメンバーに厚い信頼感を寄せる。

■ 「ずっと、死に物狂いでやってきた」

栗田がルパン役を受け取ったのは1995年のこと。ルパン役を演じるうえでは「ものすごく変わった」と24年間で意識の変化があったという。「突然、山田さんが他界されて。『2時間の作品なんてできるわけがない』というところから始まった。声優としての勉強もしていないし、やり方もわからない。モノマネしかやっていないから」と戸惑いのなかでスタート。それ以降もテレビスペシャルが年に一度、放送されていたが「15年間くらいは『山田さんだったらこうやるだろうな』というルパンをやっていた。だってそれしか知らないわけですから」と山田のルパンを追いかけていたという。

「ちょっとずつしかうまくなれないし、山田さんにはどうしたって追いつけないし、追い越せない。僕は僕なりに、ずっと死に物狂いでやってきました」と道のりを述懐し、そのなかでの変化について、こう語る。「ある時、(銭形警部役の)納谷悟朗さんが『これはお前の作品だから。俺たちはお前についていく』と言っていただいたことがあって。重い言葉をいただいたなと、ドーンと責任を感じてね。皆さんが座長に祭りあげてくださった」と先輩声優の言葉に感謝しきり。さらに「新しくレギュラーシリーズが始まったりして、こうやればいいんだとわかったり、『バーン・ノーティス 元スパイの逆襲』という海外ドラマで、声優としての声の当て方を勉強できたりもして。山田さんのことを一度考えるのではなく、『ルパンを演じればいいんだ』と思えるようになった」。

>>2以降に続きます

5/31(金) 20:15配信 Movie Walker
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190531-00192013-mvwalk-movi
https://amd.c.yimg.jp/im_sigg3.n6VRE4JxDgklTsF_p5Ig---x900-y675-q90-exp3h-pril/amd/20190531-00192013-mvwalk-000-1-view.jpg