◆阪神5―2巨人(30日・甲子園)

 巨人は投打に元気がなく、阪神戦4連敗を喫した。先発のヤングマンが初回、大山に先制3ランを許すなど4回途中KO。中継ぎ陣も追加点を奪われた。
得点は2回、大城がバックスクリーン左へ打ち込んだ2ランだけだった。5月は9勝12敗1分けで月間負け越しが決定。首位・広島とのゲーム差は4・5に
広がった。巨人は31日から本拠地で中日と3連戦を戦い、来月4日からセ・パ交流戦に突入する。

 最後まで打線はつながりを欠いたままだった。9回2死二塁。大城が二ゴロに倒れると、原監督は悔しそうに苦笑いを浮かべた。
「粘っていったけど、なかなか追加点がね。2点パーンといったけど、その辺だね」。得点は大城の2ランのみで、3回以降は散発3安打と、
二の矢を放てなかったことを悔いた。

 とはいえ、最大の誤算はヤングマンの制球難だろう。初回、安打や四球で1死一、三塁とされ、大山に左越え3ランを被弾。浮いたスライダーを運ばれ、
いきなり主導権を手放した。4回まで毎回となる与四球は5。守備の時間が長くなり、打線にリズムが生まれない遠因となった。
来日2年間、敵地6戦6勝負けなしだったが3回2/3を3失点で敵地初黒星を喫した。「今日だけでなく最近は制球に苦しんでいる。
ブルペンでは良いので、その良さを延長して試合に出さなければ」と猛省した。

 指揮官も必死に手を打った。4回途中でヤングマンを諦めた際、表の攻撃で最後の打者となっていたゲレーロの打順に2番手・田口を入れ、
ヤングマンの代わりに重信を入れる「ダブルスイッチ」を敢行。それも実らず、点差を広げられた。

 相手主砲・大山も封じ込められなかった。一発を含む4打点など、2戦合計で4安打。巨人の48代4番を務めた原監督の言葉は重い。
「4番打者を抑えるという部分は勝利を大きく左右する。そこは如実に出たんじゃないかな」。打線の大黒柱が活躍すれば、チームが乗るのは
自明の理だ。

 2カード連続の負け越し。5月の負け越しも決まった。阪神には開幕から6連勝後、4連敗となった。3、4月のスタートダッシュから一転、
足元を見つめ直す必要に迫られている。「先発投手が試合をかなり支配しているのは、誰しもがわかってることだよね。
そこは奮起してほしいところだね」と指揮官。試合後、ヤングマンと不振の中島を降格させ、ビヤヌエバ、宮国の昇格を決めた。
それぞれが持ち場で責任を果たし、もう一度チームを正しい軌道に乗せる。(西村 茂展)

スポーツ報知
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