2019年5月29日 11:00

[映画.com ニュース] 昭和の文豪・新田次郎の小説を映画化した「ある町の高い煙突」の特別映像が、このほどお披露目された。映像に収められているのは、主演・井手麻渡と共演・仲代達矢のインタビュー。「無名塾」主宰を務める仲代が、塾生でもある井手に対して、熱いエールをおくっている。

本作は、茨城・日立鉱山の煙害による大気汚染に苦しんだ地元住民、国策として休むことなく稼働し続ける鉱山を巡る実話をベースにした物語。煙害を防ぐために、世界一の大煙突建設の悲願を達成する為に奔走した若者たちと、それに向き合った鉱山会社の努力と精神――地球規模での環境問題が深刻化し、CSR(企業の社会的責任)が重要視されるようになった今だからこそ響くストーリーが紡がれる。「天心」「サクラ花 桜花最期の特攻」の松村克弥監督がメガホンをとっている。

井手と仲代は、日立鉱山による煙害と闘う関根三郎と、その祖父・関根兵馬として共演。仲代は「今でも若いですけど、もっと若い時から私は師弟の関係で、教えているんです」と井手との関係性を説明しつつ「それがですよ、私を抜いて主役をやって私がその後に出て行くという。今そんなことをいいましたけど、子弟の関係としては非常に嬉しい」と胸中を吐露。そして「出来上がった作品を見たら、スタッフ、監督みなさんのおかげで、素敵に出来てた」と感想を述べた。

「どうだい? こんな大きな映画の主役をやって」(仲代)と問われた井手は「いまだにちょっと自分では何が起こっているのかわからないぐらいビックリしているんですけど、本当にスタッフ、仲代さんはじめキャストの皆様のおかげでなんとか実力以上の力を引き出して頂いたなという実感はあります」と感謝しきり。すると仲代は「役者の商売の中にはいろいろあるんだよ。それにも打ち勝っていかなければいけない。でも打ち破るのは自分の努力しかないね」と語った後、井手の肩をポンとたたき「だから頑張れ!」と笑顔を見せている。

「ある町の高い煙突」は、渡辺大、小島梨里杏、吉川晃司らも出演。6月14日から茨城のユナイテッド・シネマ水戸、シネプレックスつくばで先行公開され、6月22日から東京・有楽町スバル座ほかで全国公開。

(映画.com速報)
https://eiga.com/news/20190529/8/