【AFP=時事】インドを代表する陸上女子短距離選手のデュティ・チャンド(Dutee Chand)が19日、同性愛者であることを公表した。保守的な国として知られるインドのアスリートでは初のケースとなり、チャンドは今回の告白によって家族から疎外されることを恐れているとも付け加えた。

 スポーツ界で以前から性別問題の渦中に置かれていた23歳のチャンドは、AFPの取材に対して、地元出身の19歳の女性と4年間交際していると明かし、「私は同性と付き合っている。それは何も悪くないと考えている」と語った。

「今は世界陸上ドーハ大会(IAAF World Championships in Athletics Doha)と次の五輪に向けて、競技生活に集中している」「選手としてのキャリアを終えた将来、自分の心が彼女と一緒にいるべきだと感じたらそうするつもり」

 また、「私のきょうだいが最近、母にこの関係に反発するようなことを話した。それで母は私を叱責し、公の場で中傷すると脅してきた」と話したチャンドは、家族や社会からのけ者にされることを恐れていると明かしつつ、昨年インドの最高裁で同性間の性行為を違法としない判決が出たことを受け、公表する勇気が出たという。

 インド東部オディシャ(Odisha)州出身のチャンドは、10代の頃に屈辱的な性別検査を強要された。そして、2014年に男性ホルモン値が高い「高アンドロゲン」と診断されると、国際陸上競技連盟(IAAF)の規定に基づいて大会への出場を禁じられた。

 チャンドは昨年この問題に関してスポーツ仲裁裁判所(CAS)で勝訴し、同年にインドネシア・ジャカルタで開催された第18回アジア競技大会(18th Asian Games、Asiad)に出場。女子100メートルと200メートルで銀メダルに輝いた。【翻訳編集】 AFPBB News

5/21(火) 17:41配信 AFP=時事
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