昨年12月にファンの男性2人に暴行をされたNGT48山口真帆(23)が18日、新潟市内のNGT48劇場で、菅原りこ(18)、長谷川玲奈(18)の3人と卒業公演を行った。秋元康総合プロデューサーが、
3人のために書き下ろした新曲「太陽は何度でも」を公演名にした「太陽は何度でも」公演〜菅原りこ・長谷川玲奈・山口真帆卒業公演〜と、銘打たれた。

 アンコールにドレス姿で登場した3人は、秋元氏の書き下ろし曲「太陽は何度でも」を披露した。「大好きな街を離れる決心をしたが、それは悲しいさよならではなく、新しい自分が求めた未来」。
自分たちの心境をつづった歌に、「秋元様には感謝してもしきれません」(菅原)と話した。

 王道アイドルソングがズラリと並んだセットリストだった。アイドルとしての最後の姿をファンに見せようという思いが表れていた。

 一方で、事件後から運営会社AKSと疑いを抱いたメンバーと、約4カ月ずっと対立し続けてきた山口は、最後の公演でも強烈な意思表示をした。本編最後の曲で、それまでのポップな曲とは全くテイストの違う、
欅坂46の楽曲「黒い羊」を披露。「そうだ僕だけがいなくなればいいんだ」と、自分の想いを訴えるような歌詞で、冷たいムードも醸し出した。

 また、サプライズゲストとして、同期の1期生から日下部愛菜(17)、小熊倫実(16)、角ゆりあ(18)が、後輩の2期生の高沢朋花(15)とドラフト3期生の高橋七実(17)を招き入れた。レッスンで
ケガをしてパフォーマンスはできなかったが、2期生の渡辺歩咲(18)も紹介。手紙を読むために登壇した同期の村雲颯香(21)と計7人を、いわゆる、山口がファンとのつながりを疑っていない
“山口真帆選抜”として、事件後に初めてSNS以外でファンに示した。

 卒業する3人のきずなの強さも、あらためて表現した。長谷川には「ずっと私を支えてくれました。世間に(事件を)発表してから、それまで私に助けを求めていたメンバーも他人ごとになったことに
『れなは許せない』と言ってくれました。ずっと私のことを心配してくれて、毎日連絡してくれたよね。泣きじゃくってしまう私をずっと抱きしめてくれていました」と、赤裸々に語った。菅原についても
「『りこがまほを助けることがいけないんですか』と(運営に)私のために怒ってくれることがうれしかったです」と明かした。

 当初から、山口の味方だった村雲からは「大切なみんなのことを守れなくてごめんなさい。本音はこういう形でNGTをやめてほしくないなんて言うべきじゃないけど、もっと力になりたかったです。
何もできなかった自分が一番悔しいです」と吐露されて、神妙な表情で受け止めていた。

 ただ、その限られた出演者にとどまったことが、ほかのNGT48メンバーとの軋轢(あつれき)は最後まで変わらぬままだったことをあらわにする、従来とは全く違う、異常な卒業公演だった。

 なお、菅原は「ソロコンサートをする」という夢を、長谷川は「声優を目指して、芸能プロダクションの指導を受けていく」という今後を明かした。山口だけは、具体的には言及しなかったが、
「みなさんにまた会えるように、自分の人生を自分の足でしっかり歩んでいきます。いろんな人に元気を与えられる人になれたらと思っています。これからもまたよろしくお願いします」とあいさつした。

 最後は、山口が「こんなにすすり泣きを(客席から)聴く公演は初めてです。笑顔で最後の曲を見てもらえたらと思っています」と言い、桜吹雪が舞い落ちる中、AKB48グループの卒業曲
「桜の花びらたち」を、涙ながらに歌って、3年半のアイドル人生に幕を閉じた。

スポニチ
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