連休を利用して、好きな作品に縁のある土地を訪れる、いわゆる「聖地巡礼」をしようと計画中の人もいるのではないだろうか。「聖地」と化した場所に「もう来ないで」と呼びかけた投稿が話題になっている。

■『千と千尋の神隠し』のワンシーン
公開されるなり大ヒットを記録するスタジオジブリ制作のアニメーション映画。アニメの中に登場した風景においても、モデルとなった場所や似ている場所を見つけて話題に挙がることも少なくない。

2001年に公開された、『千と千尋の神隠し』では、主人公の千尋が水の中の線路の電車に乗り、銭婆の元に向かう場面がある。作品を観た者にとっては印象深いワンシーンだろう。

■観光スポットは「私有地」
このシーンを彷彿とさせるスポットが愛媛県伊予市にある「下灘駅(しもなだえき)」近くの海岸にある。ここにある線路が、『千と千尋の神隠し』で登場する「水の中の線路の電車に乗る」シーンに似ており、「海に消える線路」として観光スポットとなっているようだ。

「下灘駅」は、ホームの上からでも瀬戸内の海が広がり、多くの映画やドラマのシーンでもロケに使われるほどの絶景スポットとして知られている。実際に足を運び、素晴らしい景色を堪能するのは問題ない。

問題は、海岸にある線路に足を踏み入れる人達だ。その場所は私有地であり、所有者は「もう来ないでください」と声を上げているのだ。

■「船台の上に乗る ゴミをポイポイ」
3月上旬、所有者である人物は自身のFacebookアカウントで写真と文章を掲載し、シェアを呼びかけた。

所有者は「うちは造船所です。『千と千尋の神隠し』のモデルでも何でもありません。隠れスポットでも癒しの場所でもありません」と、船を巻き上げて修理する場所であることを説明した。

毎日、昼夜問わず100人以上の人が来ることを明かし、「船台の上に乗る ゴミをポイポイ。注意しても『はぁ?』と逆ギレ」と観光客に対して、怒りをあらわにしている。

「線路は仕事道具です。皆さんも自分の仕事道具を踏まれて平気ですか?」「家族は、精神的に追い詰められています」「本当に来ないでください」と悲痛な想いを記している

■「船台の上に乗る ゴミをポイポイ」
3月上旬、所有者である人物は自身のFacebookアカウントで写真と文章を掲載し、シェアを呼びかけた。

所有者は「うちは造船所です。『千と千尋の神隠し』のモデルでも何でもありません。隠れスポットでも癒しの場所でもありません」と、船を巻き上げて修理する場所であることを説明した。

毎日、昼夜問わず100人以上の人が来ることを明かし、「船台の上に乗る ゴミをポイポイ。注意しても『はぁ?』と逆ギレ」と観光客に対して、怒りをあらわにしている。

「線路は仕事道具です。皆さんも自分の仕事道具を踏まれて平気ですか?」「家族は、精神的に追い詰められています」「本当に来ないでください」と悲痛な想いを記している。


■インスタでも多数アップ
ネット上でも、まとめサイトや個人ブログでは「インスタ映えスポット」「隠れスポット」「千と千尋の神隠しのモデル」と、数多くこの場所が紹介されている。

近場にある駐車できる場所の指定から、どのように撮影すればインスタ映えするかなど、親切丁寧に紹介されているものまで。インスタグラムで「#海へ続く線路」と検索するだけでも、この場所で撮影したであろう写真が多数アップされている状態だ。

もちろん、私有地であったことを知らなかった人もいるのだろうが、注意された際の対応やゴミをポイ捨てする行為も考えものだ。


■「聖地巡礼」の経験者は…
しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1365名を対象に調査を行った結果「聖地巡礼をしたことがある」と答えたのは全体の10.3%。

性年代別で見てみると、20〜30代の男性と50代男性が多いようだ。女性は50代だけ少し高め。子供の手が離れて、自由に使える時間が増えた世代なのだろうか。

聖地巡礼やロケ地巡りをする際は、その場所は誰でも足を踏み入れていい場所なのか、慎重になるべきだろう。今回のように、何気なく足を踏み入れた場所が私有地であり不法侵入になっていることもあるのだ。

2019/05/01 06:15 しらべぇ
https://sirabee.com/2019/05/01/20162065343/