● プロ野球界で好スタート 「大卒の」新人たち

 新年度が始まって3週間あまりが経った。新入社員たちは職場に慣れることと仕事を覚えるのに精一杯の時期だろう。

 だが、プロスポーツでは、すでに戦力として認められ、結果を出している新人がいる。プロ野球ではソフトバンクの甲斐野央投手(東洋大出身)。開幕試合の西武戦、4−4の同点で迎えた延長10回表にプロ初登板の機会が巡ってきた。開幕戦勝利がかかった緊迫した場面のうえ、迎えたのは西武が誇る主軸、山川穂高、森友哉、外崎修汰。新人には荷が重い状況だが、甲斐野は臆することなく真っ向勝負を挑み3者三振に封じた。11回も2三振を奪って無失点。その裏、デスパイネのサヨナラ打が出て勝利投手になった。

 新人投手の開幕戦勝利はソフトバンクでは11年ぶり。サヨナラ打が出るというツキもあったが、そのツキを呼び込んだのは厳しい場面にも動ぜず、自分の投球ができる新人らしからぬ強い気持ちがあったからだ。甲斐野はその後も中継ぎとして8試合に登板。安定した投球で無失点を継続し、6ホールドを記録している(4月21日現在、以下同)。

 巨人の新人サウスポー高橋優貴投手(八戸学院大出身)もプロ初登板で快挙を成し遂げた。開幕から6試合目の阪神戦(4月4日)に先発し、6回4安打1失点。味方の大量援護にも恵まれ勝利投手になった。大卒新人の初登板初勝利は巨人では59年ぶりの記録だ。2度目の先発登板となった17日の広島戦も5回3分の1を1失点と好投。リリーフが打たれて連勝は逃したが、この安定感があれば、今後も先発ローテーションの一角を担うことになるはずだ。

● Jリーグでもすでに ゴールを決めた大卒新人が

 Jリーグの大卒新人では現在、J1で3位と好調の名古屋のFW相馬勇紀(早大出身)が目覚ましい活躍を見せている。リーグ戦は開幕戦から8試合、カップ戦は3試合と全11試合すべてに出場。4ゴールを記録している。もっとも相馬の場合は厳密には新人ではない。早大4年だった昨年夏、特別指定選手として名古屋で9試合出場、1ゴールを決めている。J1の経験を積んでいるのだ。

 ただ、そうはいっても新人でJ1クラブの厳しい競争を勝ち抜き、出場を続けているのはすごい。相馬は165センチ、68キロと小柄ながら、爆発的なスピードと正確なボールコントロールを武器に得点チャンスに絡むプレーを見せる。観客をワクワクさせる選手だ。今後の活躍次第では代表入りの可能性もある。

 また、J2では山形のMF坂元達裕(東洋大出身)と新潟の新井直人(新潟経営大出身)もリーグ戦全試合に出場中だ。

 プロ野球もJリーグも若くして才能の片鱗を見せる選手に注目が集まりがちだ。野球であれば高校生、サッカーも高校生やJリーグクラブのユースチームで活躍した選手がファンの間で話題に上がる。だが、大学での試合で実力を高め、プロに入っても通用する選手はまだまだたくさんいるのだ。

● 脚光を浴びる高卒ルーキー 一方で大学卒の新人は?

 ところで今、現役でプレーする選手を数多く輩出している大学はどこなのだろうか。

 プロ野球は明治大と亜細亜大が21人で最も多い。これに次ぐのが早稲田大と東海大で18人。5位は中央大で13人、東洋大=10人、日本大=10人、近畿大=9人と続く。

 以下は8人が駒沢大、立教大、青山学院大、東北福祉大、上武大、国学院大、7人が慶応大、法政大、富士大、6人が立命館大、白鴎大だ。

 プロ野球選手輩出数にも浮き沈みがあるようだ。明治大、亜細亜大、早稲田大、東海大、中央大などは昔から強豪校であり、今もその勢いを維持しているが、法政大や駒沢大、慶応大は低落傾向にある。また、圧倒的強さを発揮しプロ入り選手も増えた東北福祉大も少なくなっている。

4/23(火) 6:01配信 ダイヤモンドオンライン
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