【ニューヨーク17日(日本時間18日)】米大リーグ、ヤンキース傘下3Aスクラントンの加藤豪将(ごうすけ)内野手(24)がリーハイバレー戦とのダブルヘッダー第2試合に「3番・二塁」で出場し、三回に4号ソロを放つなど、3打数2安打1打点と活躍した。2013年のルーキーリーグのデビューから6年。ここまでチーム2位の4本塁打、11打点の好成績を残すなど、米国生まれの日本選手は、夢のメジャー昇格も視野に入ってきた。

 夢に見ていた舞台が手の届くところまできた。1点リードで迎えた三回2死。加藤が振り抜いた打球は、グングンと伸びて左中間スタンドに消えていった。

 「メジャーまで近いけど、まだいっぱい練習しないといけないことがあると分かりました。急ぐ、焦るっていうよりも、結果を出して(メジャーに)いきたい」

 2月24日のオープン戦で初めてメジャーでベンチ入りした際、口にした思いが現実味を帯びてきた。

 3試合ぶりの一発が飛び出すと、五回2死一塁では左前打を放ち、この日は2安打1打点。開幕前に昇格した3Aで11試合に出場し、打率・278、4本塁打、11打点の好成績で、本塁打と打点はともにチーム2位だ。

 名門球団のメジャーに上がるのは容易ではないが、今季のヤンキースは故障者が続出し、負傷者リスト入りが12人という異常事態。投手も野手も欠けた状態で8勝9敗と苦しんでいる。24歳が結果を残し続ければ、メジャー昇格の可能性は出てくる。

 13年6月のドラフトでヤ軍にドラフト2巡目(全体66位)で入団。弱肉強食のマイナーでルーキーリーグから1A、2A、そして3Aに昇格し、細身だった加藤はたくましく成長した。入団時から身長は7センチ伸びて188センチ、体重も6・5キロ増えて、88・5キロになった。チームからは筋力アップのほかに一日6食の“食事トレーニング”も課せられ、パワー不足も克服。今季は本職の二、三塁以外に一塁や外野にも挑戦している。

 2人のレジェンドの“DNA”を受け継ぐ。1人は3月に引退を表明をしたイチロー元選手(45)だ。6歳のときに父親に連れられ、サンディエゴでパドレス−マリナーズを観戦し、天才打者のプレーに感動した。13年の入団直後から親交がスタート。神戸で自主トレに参加したこともある。

 2Aではマイナーの巡回打撃コーチを務めている松井秀喜ゼネラルマネジャー付特別アドバイザー(44)の指導も受けた。同氏もメジャーを夢見て、実直に取り組む後輩を「彼なりに頑張っていると思います。もう少し、ですね」と評価している。

 「毎日、毎日新しいことが学べて、すごく楽しい」と加藤。憧れの大選手の背中を追いかけてきた24歳の未来が、大きく広がりはじめた。


4/19(金) 7:00配信 サンケイスポーツ
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