昨年のオフも多くの選手が自由契約となったプロ野球界だが、他球団への移籍が決まらずに新しいシーズンを迎えた選手も少なくない。
そんな中で年々増えているのが国内の独立リーグでプレーしながらオファーを待つというものだ。
昨年は村田修一(元巨人)がルートインBCリーグ(以下BCリーグ)の栃木でプレーして話題となった。

そして今年も同じ栃木に大物が入団した。阪神を戦力外になった西岡剛である。
メジャーでは併殺崩しのスライディングを受けた故障が響き、阪神移籍後も毎年のように故障に悩まされたが、ロッテでは盗塁王に2回輝き2010年には首位打者と最多安打も獲得した実績を持つ。
そこで今回は、西岡を狙うべきNPBの球団について考えてみたいと思う。

阪神時代の後半は外野も守ることがあり、独立リーグでも指名打者として出場しているが、西岡の持ち味を生かすとすれば内野での起用が妥当だろう。
また、2014年には代打で12打数5安打と見事な成績を残しており、内野手のバックアップ要員で経験豊富なベテランがいない球団がマッチすると考えられる。
そのような要因を考えるとまずおすすめしたいのが西武だ。浅村栄斗がFAで楽天に移籍し、今季は外崎修汰がセカンドに回っているが、全体的に層の薄さは否めない。
サードの中村剛也もコンディション面で不安があり、その穴を埋める人員も不足している。
指名打者も主に栗山巧、メヒアのベテラン二人が任せられているが、そこにスイッチヒッターの西岡が加わることで攻撃面のオプションも増えるだろう。

ここ数年は故障が多かったものの、独立リーグでは積極的に盗塁を決めており、まだまだ脚力が完全に衰えたわけではなく、足を使うチームスタイルにも合っている。
松井稼頭央が引退し、35歳以上の野手は中村と栗山だけというチーム構成を考えてもベテラン偏重になるわけではない。
第1回WBCではチームの主力として活躍し、ロッテ時代にも日本一に大きく貢献するなど短期決戦での経験があるのも、昨年クライマックスシリーズで敗れた西武にとってプラスになるだろう。

西武以外ではDeNA、中日の2球団も検討する余地がありそうだ。DeNAは今のところセカンドをソト、柴田竜拓、中井大介の三人で回しているが、いずれも1年を通じてシーズンを任せられるほどの安定感はない。
ショートの大和も過去に2度規定打席に到達したのはいずれも外野手時代であり、決して万全とは言えない存在である。
大舞台を知るベテランがいないだけに、優勝を狙うチームにとって西岡の経験は貴重なものになるだろう。
中日もベテランが多く退団したことで内野手が一気に手薄になった。
ルーキーの根尾昂に期待はかかるものの現実的にはまだ時間がかかり、セカンドで実績が乏しく年齢的にも
大きな上積みが期待しづらい堂上直倫と阿部寿樹を併用している現状を考えると、西岡が活躍できるチャンスはまだまだあると言えるだろう。

昨年の村田のケースを見ても、NPBへの復帰は並大抵の難易度ではない。
しかし西岡は開幕から3試合で7安打、4盗塁をマークし、開幕戦ではホームランも放つなどまだまだその実力は完全に錆びついたわけではない。
昨年は古村徹(DeNA)がBCリーグの富山で活躍し、オフにNPB復帰を果たしている。
また北方悠誠(元DeNA、ソフトバンク)も同じ栃木で開幕から150キロ台後半のストレートを連発して、NPB復帰に向けてアピールしていることも西岡にとっては良い刺激になっていることだろう。
日本ではまだまだ一度独立リーグでプレーしてからNPBに復帰した例は多くないが、アメリカでは実績のある選手が独立リーグで復帰のチャンスを待つというのは当たり前のことになっている。
日本国内で西岡がそのような選手のパイオニアになれるのか、今後のプレーぶりにもぜひ注目してもらいたい。(文・西尾典文)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190411-00000060-sasahi-base&;p=2
4/11(木) 16:00配信

https://nipponbaseball.web.fc2.com/personal/batter/nishioka_tsuyoshi.html
成績

https://www.youtube.com/watch?v=X_-SjIPIl_E
千葉ロッテ 「西岡剛の応援歌(カチューシャ)」