2019.3.16
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本田は1ゴールで面目を施した 本田は1ゴールで面目を施した

 Jリーグ勢と12年ぶりの対戦となったMF本田圭佑(32)=メルボルン・ビクトリー(豪州)=は、やる気がみなぎっていましたね。

 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグのサンフレッチェ広島戦(12日)。
本人は試合後、「全然物足りない。無限レベルにピッチを無双できないとダメです」とコメントしていましたが、どうしてどうして、後半26分、右サイドからDFストーム・ルーが折り返したクロスに、完璧に合わせたスライディングシュートはお見事でした。

 とっさの判断が必要なプレーです。スライディングシュートって、結構ふかしてしまう選手が多いんですよね。本田はそれを頭に入れていました。
上からボールをたたけば、絶対にふかすことはない。プロなら誰もが理解していることですが、それを即座に判断できたところに、本田の並々ならぬやる気と準備のほどがうかがえました。

 このゴールを見て思い出したのが、日本代表が初めてW杯への出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」(1997年11月16日)での、FW岡野雅行(46)=現J3鳥取GM=のゴールです。

 覚えてますか? あの場面で岡野は何回もシュートを外していましたが、最後に来たシュートチャンスを、とっさの判断であえてスライディングで決めました。
スライディングシュートは狙ってやるものではありません。私も現役時代に何回が成功しましたが、共通していたのは、ピッチ上で極めて冷静だったことだと思います。心は熱く、頭はクールに。こういう状態のとき、人間はとっさに最良の判断を下せるもののようです。(元J1横浜監督)

 ■水沼貴史(みずぬま・たかし) サッカー解説者。1960年5月28日、埼玉県生まれ。FWとして日産の黄金時代を築く。日本代表として32試合に出場、7得点。95年横浜マリノスの前期優勝後に現役引退。2006年には横浜Fマリノスのコーチ、同監督も務めた。