メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1の無料放送が減ることでファンがレースを観る機会が妨げられるべきではなく、理に適っていないと主張している。

 全世界的に、F1の放送は無料放送ではなく有料の専用チャンネルへと移行している。現在イギリスでは、スポーツの専門放送を行う『Sky Sports』がF1を放送。地元のイギリスGPは無料で生中継が行われているが、その他に無料で視聴できるのは、各レースのハイライトのみだ。

 この現状について、ハミルトンは「間違いなくクールじゃない」と語った。

 彼は「問題に対する答えを考えるのは自分の仕事ではない」としながらも、F1放送が有料チャンネルへと移行している動きに納得できなかったという。

「多くの人々がグランプリに参加すればするほど、その雰囲気は良くなる」

「スポーツを形作るのはファンなんだ。彼らをブロックしたり、彼らがスポーツを観るのを妨げたりすれば、オーナーたちにとってビジネスが悪化していくことになるだろう」

「でもそれは僕と直接は関係ない。ファンがレースに来た時や僕に会いに来たタイミングを、彼らと触れ合う機会として活用する」

 ハミルトン自身は、イギリスの公共放送局BBCでF1を観て育ったと話し、「それは素晴らしいことだった」と振り返った。そして今のファンがF1を観るのに必要なコストが増加していることに同情した。

「今は保険だったり、家の中の色んなものにお金を払っている。それはとても高価だ。それに加えて、TVと有料チャンネルのライセンスにお金を支払う必要があるなんて、馬鹿げている」

「今は誰にとっても経済的に難しい時代だから、視聴者数は増えないと確信している。ファンの注目を多く集められないというのは残念だ」

『Sky Sports』は、2012年からイギリスでF1全戦のライブ放送を実施。一方BBCはシーズンの中から10レースをライブ放送し、残りのレースはハイライトを放送するという形となっていた。2016年から2018年は、公共TV局であるチャンネル4がBBCの権利を引き継いだが、チャンネル4は2019年の契約を結んでいない。


3/7(木) 17:20配信 motorsport.com 日本版
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