ブッチャー“遺言”「親を大事にしろ」引退セレモニーに往年のライバル集結
「プロレス・ジャイアント馬場没20年追善興行」(19日、両国国技館)

99年1月31日に死去したジャイアント馬場さん(享年61)の没20年追善興行が
9団体の59選手を集めて開催された。
馬場さんのライバルだった元プロレスラーのアントニオ猪木参院議員(75)が、
2人が最後にタッグを組んだ79年8月以降では初めて馬場さん関連の興行に来場し、
「1、2、3、ダー!!」を絶叫。
また、12年1月に現役引退したアブドーラ・ザ・ブッチャー(78)の引退セレモニーも行われた。

“黒い呪術師”が多くのレジェンドに祝福されてリングを去った。
血みどろの凶悪ファイトでファンを震え上がらせた悪役ながら、どこか愛くるしい表情で人気を博したブッチャー。
12年1月の試合を最後に引退し、8年越しのセレモニーが行われた。

最後の花道に駆けつけたのは、ミル・マスカラス、ドス・カラス、初代タイガーマスク、
秋山準、坂口征二・新日本プロレス相談役、スタン・ハンセン、ドリー・ファンク・ジュニアらそうそうたる顔ぶれ。
そして、ブッチャーは得意のエルボー・ドロップを多用した後遺症で股関節を痛め、今は車イスでの生活だが、
武藤敬司が現れて「かかってこい」とアピールすると立ち上がって応じる構えを見せて観衆を大いに沸かせた。

最後は「ファンのみなさん、帰ってきました」と力強くあいさつ。
「一つだけ足りないことがあります。ここにジャイアント馬場さんがいてくれれば完璧です」と、
死闘を繰り広げた天国の馬場さんに思いをはせた。

そして、「若い人たちに言いたい。自分の親が年を取っても、決して老人ホームにぶち込んで忘れるようなことはするな。
いずれはお前たちも年を取ってそういうことになるんだから、ちゃんと親を大事にしろ。
それだけを言いたい。忘れるんじゃないぞ」。悪役ながらも親孝行をファンに訴え、
「サンキュー」を6回繰り返して、強く感謝した。愛された悪役らしい最後のリングだった。

デイリースポーツ on line
https://www.daily.co.jp/ring/2019/02/20/0012081028.shtml
ブッチャーを囲んで記念撮影する(前列左から)
坂口征二氏、武藤敬司、ドリー・ファンク・ジュニア、スタン・ハンセンら
https://i.daily.jp/ring/2019/02/20/Images/d_12081029.jpg