>>569
横レスだけど確かに小説の主人公は、素朴な市井の人で、本など読みそうにないキャラクターが多い
書き手がそういう人をどのように描きだしているかがポイントなんじゃないかな
とっくに故人になったけど短編小説の名手として有名な作家阿部昭の『天使が見たもの』がその好例
阿部の作品は日本的な私小説が多いが、これは万能視点で書かれた三人称小説で、文句なしに傑作

東京の片隅でかつかつの生活をしている貧しい母子家庭の男児を中心に据えた話で、幼い息子の同級生からばかにされながらも病身をおしてスーパーで働く母親も、
小学校でいじめられているひとり息子も、唯一母親に親切な職場の同僚も、およそ本など読みそうにない人々
そういう人々を、作家がどのような視線とスタンスで描きだしているかが肝