カタールとの決勝戦では、グループステージから指摘していた「組織的に守備ができていない」という森保ジャパンの弱点が浮き彫りになってしまった。
1−3のスコアが、現在の実力差を示しているとは思わない。日本に優勝できる力はあった。
だが、その力を出すチームとしての手段が、まだ構築されていなかったのである。

前半は、中盤がルーズで、ボール保持者に対してプレッシャーをかけることができていなかった。
カタールは、エースのアリらの帰化選手に加えて、3年後の自国開催のワールドカップに備え、ジュニア世代からの育成に力を入れていてポテンシャルが高いチーム。
スペインの戦術が土台にあるが、個の能力を生かしたドリブル突破や、キープ力の高い選手が揃っていて、その個の能力に圧倒されてしまっているようにも見えた。

対抗するのは組織であるはずが、どこでボールを奪って、どう攻めるのか、というイメージが共有されずにバラつきがあった。
カタールが中2日で、日本は中3日。コンディション的にも有利のはずだったが、前半は中盤でもたつく日本の方が重たく見えた。

前半の2失点で勝負は決してしまったが、これもミスで招いた失点。前半12分のアリのオーバーヘットは、右足でジャンプして、右足で決めるという、独特のバネを生かした離れ技だった。
日本人では、あのタイミングではとても打てない。まだ雑さがあるし、現段階でワールドクラスのストライカーとは言えないが、はまればそのレベルにまで突き抜ける。 
そういうカタールのエースにオーバーヘッドという選択肢があることは、事前に分析されて、頭に入っていたはず。
なのに、守備陣も、GKの権田もブラインドに入って反応が遅れていた。備えが不足していたのである。

26分に2失点目となるミドルシュートを浴びたシーンも、中盤のマークがずれてシュートまでもっていかれていた。最後の防波堤の部分でも吉田が寄せ切れずブロックにいけていなかった。
遠藤の怪我で、ボランチは、塩谷―柴崎の組み合わせになったが、このバランスもよくなかった。
プレスにいくタイミングがずれていたし、塩谷は、遠藤に比べると、運動量も少なく、体を当てにいくタイプ。彼にバランスを求めるのは難しかったのかもしれない。

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2/2(土) 6:30配信