1月8日深夜に動画配信サイト・SHOWROOMを通じて行われた山口真帆の告発により発覚したNGT48の問題。

アイドルグループのメンバー(山口真帆)がファンから暴行を受けたのにも関わらず、NGT48の運営は対応を1カ月にもわたって放置し続け、
それが表沙汰になるや、あろうことか被害者が壇上で謝罪させられた──こういった事件の本質はいつしか忘れ去られつつある。

テレビのワイドショーにせよ、インターネットの匿名掲示板にせよ、「誰がファンとつながっていたのか?」
の犯人探しゲームとして消費され、その果てに、現在では問題はなにひとつ明らかにならないまま、風化の一途をたどろうとしている。

NGT48運営側は事件の真相を有耶無耶にしようとするばかりで、事の次第を明らかにしようとはしない。
第三者委員会を設けて事実確認を行い、調査結果を開示する意向を示してはいるが、これまでの運営側の姿勢により信頼性は大きく損なわれた。

1月25日にはNGT48劇場も通常の公演を再開させた。その公演では、現在の運営責任者である早川麻依子支配人が壇上に上がってファンの前で謝罪を行い、
事実確認を進めている旨を語ったが、本当にファンの前に立って説明を行うべき今村悦朗前NGT48劇場支配人(現在はAKS本社取締役室に異動)は姿を現すことはなかった。
責任を取るべき人物は雲隠れで、真実は藪の中に放り込まれたまま。こんな状況でしかるべき再発防止策が練られているのだろうか。

現在はNGT48研究生による公演が行われているが、NGT48運営側からはこんな状況にも関わらず2月中を目処に通常の公演を再開させるとの意向も語られた。
最低でも第三者委員会の調査結果が明らかになるまでは活動をストップさせるのが当然の対応と思えるが、こういった面からも、まともに問題と向き合う気のないNGT48運営の姿勢が透けて見える。

メディアによる追及があればこういった対応は許されるはずもないが、この話題は完全に飽きられ、まともに取り上げられることもなくなってきた。
このままでは、何事もなかったかのようにされてしまうのも時間の問題だろう。

山口真帆が「いいね」欄を通じてメッセージを発信し始めた

そんななか、山口真帆のツイッターアカウントが動き出している。

彼女自身のつぶやきは1月8日を最後に途絶えているが、25日から一般ユーザーのつぶやきに「いいね」をし始めているのだ。

この間彼女は30件ほどのつぶやきに「いいね」を押しているが、セレクトされたそれらのつぶやきを見ると、彼女が本当に訴えようとしていることが見えてくる。

<山口真帆さんの件は所詮アイドルのスキャンダルと考えられてるんだろう。でも違う。
企業内で犯罪に巻き込まれたけど会社への影響を考えて示談にしたら、加害側に処分無しで被害者の自分が謝罪して休職させられて、さらに他の同僚が同じ犯罪の被害に遭いそうって感じ。ネットの憶測抜きでもコレ、酷い>
<山口さんがいいねをしてる件。きっと今回の第三者委員や2月からの公演再開も含め、会社ぐるみで事実を完全に隠蔽すると確信したんだろうなって。
被害者である山口さんにここまでさせてしまう運営を、俺は絶対に許さない>
<痴漢、性犯罪、きっと言えないで泣き寝入りしてる女の人はたくさんいる。自分も。だから山口真帆さんの勇気ある行動が蔑ろにされるのは本当に許せない。
女性軽視とも感じる。正常な一般女性からしたら今回の事件は敵しか作ってないよNGT48。
みんな味方だよ、良く頑張ったねと山口真帆さんに言いたい>

この行動は、勇気ある告発すら反故にしようとするNGT48運営への、現状できる精一杯の抗議の声であると捉えるのが自然だろう。

新潟日報は怒りの報道を続ける
ワイドショーでこの問題が扱われる頻度は激減したが、ファンや、これまでNGT48の活動をサポートし続けてきた地元企業が抱える憤りは、なくなるどころか、日を追うごとに増しているともいえる。

その象徴が、新潟県内で最大シェア(普及率52%)をもつ新聞・新潟日報だろう。

新潟日報は、この騒動が起きた直後からNGT48運営の不誠実な対応を徹底的に批判しており、
ニュースサイト「新潟日報モア」のトップページには「NGT48暴行問題」という、これまでの経緯が整理された特集ページまで編まれている。

http://dailynewsonline.jp/article/1673070/
2019.01.30 18:05 wezzy