「昨年も獲得が検討されていた」

さる阪神OBがこう言うのは、日本ハムの中田翔(29)のことである。中田はここ2年、FA権を行使するかどうかが注目され続けた。
とくに国内FA権を取得した2017年は、「(当時の)金本監督と相思相愛。阪神入りは既定路線」と言われたこともある。前出のOBが続ける。

「中田自身も阪神入りを完全に諦めていたわけではなかったし、このオフも阪神は『4番・一塁』をアテこんで獲得した助っ人ロサリオが失敗に終わり、4番候補の補強は急務だった。
しかし、助っ人獲得にかじを切った。『育成のため』といえば聞こえはいいが、その裏ではFAで獲得した糸井嘉男(37)が期待通りに活躍していないことが、影を落としているのです」

糸井は16年オフに金本前監督の肝いりでFA入団。17年は114試合で打率・290、17本塁打、62打点、18年は119試合で打率・308、16本塁打、68打点。
阪神ではトップ級の成績を残しているとはいえ、球団、親会社の上層部の間には、
「4年18億円超の大型契約をした選手としては割に合わない」との声だけでなく、「低迷の要因になった」と、厳しい意見もあるという。

たしかに、糸井は阪神入団早々に古傷を抱える右ひざを故障。昨季は9月末に左肩の腱板を損傷し、リハビリを強いられた。

「骨折してもフルイニング出場を続けたかつての金本は別格としても、球団は糸井にチームを牽引してもらいたい、ともくろんでいた。
が、ケガが多いだけでなく、守備にも問題がある。当初は不動のセンターとして起用するプランがあったものの、膝の影響もあって思ったほど足が動かない。
ライトでの起用は、センターを任せるには心もとないとの判断もあった」(前出のOB)

糸井の中堅構想が崩れたことで、守備に不安がある高山が中堅起用され、その負担も重なり打撃不振に陥るなど、マイナス面も出た。
こうした糸井の“物足りなさ”が、阪神に野手のFA補強に二の足を踏ませた側面もあるというのだ。

一方、中田は昨15日、神戸市内で自主トレを公開。「キャリアハイを目指したい」と意気込んだ。
オフに3年10億円の大型契約を結び、名実ともに日本ハムの顔となったが、糸井がもっと働いていれば、「阪神・中田」が誕生していたかもしれない……。

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1/16(水) 12:00配信