好き嫌いはともかく、巨人軍の監督から「優勝するために力を貸してほしい」と口説かれて、悦に入らないプロ野球選手はいないだろう。
実際に原監督から熱烈なラブコールを受けたのは西武の炭谷銀仁朗捕手(31)。だが、今オフのFAの目玉選手には、人知れず抱える「裁判」があった。

11月24日に巨人への移籍が発表される以前から、スポーツ紙のデスクはこう断言していた。

「炭谷の巨人入りは確定的です。巨人の捕手には生え抜きの小林誠司がいますが、原監督はまだ一人前と認めていない。
リード面で勝る炭谷を獲って小林に危機感を抱かせたい考えでしょう。
また、炭谷は高卒選手として初めて日本プロ野球選手会の会長になった。
原監督はその点も高く買っていて、将来的には指導者として巨人に残すことも視野に入れているようです」

西武で出番を減らしていた炭谷にとっても巨人からの秋波は渡りに船。
しかも、初交渉で「3年・6億円」という好条件を提示されたのだから「金銭闘争」が長引くこともあるまい。

だが一方で、炭谷はいま別の金銭闘争に頭を悩ませていた。
順調に進む本業の「交渉」とは裏腹に、自身が関わる交通事故の示談「交渉」が物別れに終わり、裁判の渦中にあるのだ。

事故が起きたのは今年5月13日の午後7時過ぎのこと。
炭谷は愛車で練馬区内にあるコンビニに立ち寄った。この時、炭谷は後部座席におり、ハンドルは知人が握っていた。
そして、車が駐車場に入ろうとすると、先に停車していた軽トラックが動き出す。炭谷の知人はブレーキを踏み、クラクションを鳴らしたが、

「一瞬のことで急には止まれませんでした。あの日は仕事帰りにタバコが吸いたくなってコンビニに寄ってね。
さぁ、帰ろうかと思って車を出したら、ぶつけてしまったんです」

そう明かすのは、軽トラを運転していた男性である。

「高いと言われても…」

接触事故を起こした直後、相手方の車からは、

「2人の男が降りてきて、運転手じゃない方の大柄な男と話をしました。まもなく警察が到着。
実況見分が終わったところで、“事故を起こしてすいません”とお詫びもしています」(同)

ちなみに、「大柄な男」の正体は知らなかったようで、

「えっ、炭谷だったの? 事故当日はバタバタしてたし、その後のやり取りは保険屋にまかせっきりだったから気付かなかった。
オレ、巨人ファンなんだけどな」(同)

一方で、炭谷側の対応には不満が残るという。

「修理費用として150万円を請求されていると知った時は“高すぎる”と思いました。
被害はドアがボコッと凹んだ程度。野球のボールくらいの大きさですよ。
しかも、10:0でこっちの責任だと言って譲らない。
その上、修理費用に代車代の90万円などを加えて約300万円の損害賠償訴訟まで起こされた。このくらいで裁判にしなくてもいいのにねぇ」(同)

炭谷本人はこう語る。

「金額についてはきちんと業者に見積もりを出してもらっているので高いと言われても……。
代車としてベンツを借りましたが、事故に遭った車と同等の代車を手配してもらっただけです。
事故の時に僕の車が停止していたこともコンビニの防犯カメラで確認済み。
示談に至らなかったのは互いの保険屋さんによる交渉の結果としか言いようがありません」

球団ならまだしも、巨人ファン相手に「金銭闘争」というのは間が悪い。

「週刊新潮」2018年11月29日号 掲載

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181129-00552374-shincho-base
11/29(木) 5:58配信