西武から国内FA宣言した浅村栄斗内野手(28)が20日、楽天に入団の意向を伝えた。楽天とは18日に初交渉し、背番号「3」と4年総額20億円程度とみられる大型契約を提示されたが、
ソフトバンクはそれ以上の4年総額28億円の条件を出していた。なぜ、浅村は楽天を選んだのか。ふられたソフトバンクからは「デキレース」との声が上がった。

浅村の争奪戦を楽天が制した。9月に就任したばかりの石井GMが早速、現役時代と同様の剛腕を発揮し、球界屈指の強打者の獲得に成功した。

今季、最下位に沈んだ楽天は両リーグ最少の520得点で得点力不足が課題。
加えて、二塁手は藤田が高い守備力を誇るものの36歳で毎試合出場を続けるのは厳しく、一塁手が本職の銀次が二塁に回ることも多かった。
今季、2度目の打点王に輝いた浅村は、まさにチームの補強ポイントに合致する存在だった。

石井GMは現役時代、米大リーグに挑戦し、ヤクルトから西武へのFA移籍も経験した。
18日の初交渉では「移籍して新しい環境に慣れていくことはデメリットもある。ただ、成長するためにはデメリットも必要」と、先輩としての立場から楽天入りを促した。

浅村は愛着のある西武への残留も迷ったというが…。オリックスとは一度も交渉せずに19日に断りの連絡を入れ、ソフトバンクには20日に断りを入れた。
総額8億円も差のある条件を蹴られたことで、ソフトバンクからは恨み節が噴出した。

三笠球団統括本部長はこの日、「今回に関しては大変申し訳ありませんが、他球団でプレーさせてもらいますとのことでした。
われわれとしても最大限の誠意を持ってオファーしましたが、残念です」とコメント。

他球団を上回る手厚い条件で猛アタックを敢行したが、球団内では「本当に来る可能性はあるのか」
「楽天が相当、力を入れていると聞く」と開戦当初から戦況不利が予測されていた。
そんなこともあり、今回の結果には「やっぱりデキレースだったんじゃないか」との声が広がった。

また「人見知り」という浅村の性格が、ソフトバンクが想定した以上だったということもある。
楽天には石井GMや渡辺直ら、浅村との人脈のある人間が複数いる。一方で、ソフトバンクは工藤監督こそ1年だけ西武での在籍が重なっているとはいえ、実質的には皆無に等しい。

これまでソフトバンクはマネーゲームには無類の強さを発揮してきたが、8億円も上回りながら取り逃したショックは尾を引きそうだ。

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11/21(水) 16:31配信