東京都内の元アイドルの女性(22)は芸能事務所に所属した当時、スタッフから「契約書を周りにみせるな」とクギを刺された。
契約が事務所側に一方的に有利な内容だと知ったのは、デビュー後のこと。

報酬が一切支払われず、契約の解除さえできない時期が続いた。裁判の末に事務所を退所したが、悔しさは募る。

幼いころから歌って踊れるアイドルに憧れた。高校3年のころから「レッスン生」として、
ボイストレーニングを受けに、兵庫県内の自宅から夜行バスで月2回東京へ通った。

年間のレッスン費約45万円、交通費や宿泊費は自己負担した。

高校卒業後、「デビューが早まる」と事務所側に勧められるまま単身上京。
約1カ月後、アイドルグループとしてデビューが決定し、事務所と専属マネジメント契約を交わした。

契約書には、契約終了2年間の芸能活動禁止を記載。月給3万8千円はレッスン費と相殺されるという内容だった。
契約時は父親が同席したが、女性は「デビューできるうれしさから内容は詳しく確認しなかった。父もよく分かっていないようだった」と唇を噛む。

一方、関西でアイドルとして活動する高校1年の女子生徒(15)と事務所との契約に立ち合った父親(38)は、
「娘の夢をかなえたいという気持ちが強く、業界の常識が分からないまま契約した」と心境を明かした。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181109-00000556-san-soci

過酷な労働環境について話すアイドルの女性たち=東京都渋谷区(有年由貴子撮影)
https://amd.c.yimg.jp/amd/20181109-00000556-san-000-1-view.jpg


芸能関係者の権利を守る日本エンターテイナーライツ協会の河西邦剛弁護士によると、
アイドルと芸能事務所の契約をめぐるトラブルはここ数年急増。

「契約を解除できない」「10数時間拘束されているのに日給が千円に満たない」
など、年間100件もの相談が寄せているという。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181109-00000554-san-soci