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 それでも「ショータイム」だけでなく、インターネットのストリームサービスである「ESPN+」、「DAZN」で全米放映の可能性があることが示唆された。

 榊原実行委員長も「世界中に中継はする。北米での放映権契約も屈辱的な契約ではなく、メイウェザー側とシェアすることになっている」と説明していた。

 またメイウェザーとの再戦を望んでいるUFC戦士のマクレガーが、この試合決定を受けて自身のインスタで「フロイド、サウナスーツでも着ているのか。東京は暑いのか? それともここから何か物語が生まれるのか? 一体何が起きているのか? (写真に写っている)隣の小さな奴は誰なんだ? ラッシュアワー5(ジャッキー・チェン主演の映画の題名)か何かなのか。クリス・タッカーとジャッキー・チェンかよ」と挑発的な投稿。

 すぐさま那須川も、インスタを使い英文で「こんにちは、マクレガーさん。私の名前は那須川天心です。私はジャッキー・チェンではありません。私はあなたの敗北のかたきを取ることを約束しますので、私の戦いを見て下さい」と反撃したが、この“番外戦”についても米メディアはさっそく話題にした。

 米国の「コンプレックス誌」は「那須川が、マクレガーの人種差別的なインスタの掲載に対して完璧な返答」との見出しを取って那須川の紳士的な対応を絶賛した。

 記事は両者のインスタの内容を紹介した上で「とりわけマクレガーに冷静に返答したところなど、那須川はわずか20歳だとは思えない」と敬意と丁重さを込めたメッセージを高評価。「一方でマクレガーがメイウェザーに敗れたことを持ち出すことで、巧妙なジャブをこっそりと放った。那須川は、大晦日の対戦でメイウェザーを倒せないかもしれないが、この若者は、すでにスターの卵となっている」と、世界的にはまだ無名の日本のファイターに好意的な目を向けた。
 
 ルール問題や試合のあり方に賛否はあるかもしれないが、プロの格闘イベントである限り、世界中のメディアを巻き込んだ時点で、もうこの世紀の一戦は成功なのかもしれない。