2020年東京五輪・パラリンピック競技会場の整備で想定外のトラブルが今月に入って相次ぎ、東京都が対応に追われている。水泳会場に使われた免震・制振装置は国の基準を満たしていない恐れがあることが発覚。テニス会場では改修を請け負った施工会社が経営破綻した。大会への準備期間などを踏まえると工期の大幅な遅れは許されず、綱渡りの調整を強いられる。

■安全性を独自調査 「工期が厳しい中で全く想定外の事態。早急の対策が必要だ」。今月16日に明らかになった油圧機器大手「KYB」(東京都港区)と子会社による免震・制振オイルダンパーの検査データ改ざん問題について、都幹部は危機感を募らせる。

 基準に適合しない恐れのあるダンパーは、20年大会で水泳会場となる「東京アクアティクスセンター」(江東区)で32本が設置済み。今後の調査でデータ改ざんが確認されれば、交換が必要になる可能性がある。

 都は現在、KYB側に早急な安全性の調査を求めているが、調査の日程や方法もまだ固まっていない状況だ。都幹部は「そもそも不正を行っていたメーカーに『安全』と言われても信用できないし、一日も無駄にできない」と語り、第三者機関の立ち会いのもと都が独自に安全性の調査に乗り出す方針だ。

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