村田諒太(帝拳)攻略のカギは何だったのか――。

10月20日(現地時間)、ラスベガスのパークシアターで行なわれたWBA世界ミドル級タイトル戦で、指名挑戦者のロブ・ブラント(アメリカ)が王者・村田に大差の判定勝ちを収めた。

村田は2度目の防衛に失敗。日本が生んだ元五輪金メダリストの敗戦を残念に感じると同時に、
ブラントのスピーディーかつテクニカルなボクシングに好感を持ったファンも少なくなかっただろう。
戦績を24勝(16KO)1敗に伸ばした新王者は、今後はミドル級の主役のひとりとして活躍が期待される。

熱戦から4日が過ぎた24日、テキサス州ダラスに戻ったブラントに電話インタビューを行なった。
世界王者の肩書きを手にしても、態度、口調は戦前と変わらず紳士そのもの。
聡明さを感じさせる28歳は、自らのファイトプランと村田対策のポイントを丁寧に説明してくれた。

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――世界タイトル奪取おめでとうございます。試合内容はアメリカ国内でも好評でしたが、身近な人々の反応はどうですか?

「みんなすごく喜んでくれていますよ。アンダードッグ(負けが予想される人)だった僕が下馬評を覆して世界タイトルを獲ったことで、多くの人がエキサイトし、ハッピーに感じてくれました。
家族は、まず僕が無事に試合を終えたことを喜び、同時に勝利を手にしたことに興奮してくれています」

――今はどこで過ごしているんですか?

「試合翌日の日曜日はラスベガスで1日楽しみ、とてもいい時間を過ごしました。
月曜日には自宅のあるダラスに戻り、次のファイトに備えたトレーニングを始めるまで、しばらく体を休めるつもりです」

――試合が終わった今、村田戦のファイトプランを明かしてもらえますか?

「テーマは『インテリジェントなプレッシャー』。12ラウンドに渡って、村田に絶えず的確なプレッシャーをかけ続けることが目標でした。
村田はオリンピックで金メダルを獲るほどアマチュアでの戦歴がありますし、ポイントを取る術にも長けています。
だから彼にペースを渡さないように、とにかくより多くのパンチを出すこと。
同時に序盤のうちにダメージを与えるため、可能な限りハードなパンチを打つことを心がけました。
彼の顔を腫らし、血を流させ、これまでにない経験を味あわせたかったんです」

――試合はまさにその通りの流れになりましたね。いい方向に進んでいるという手応えを感じたのはいつ頃ですか? 

「5ラウンドです。村田にとってのベストラウンドと目されたラウンドですね。
あそこで村田の攻勢をしのぐことができて、これでもう何が起きても対処できると感じられたんです。
彼のベストパンチも耐えられたことで、6ラウンド以降はより自信を持って戦い抜くことができました」

http://news.livedoor.com/article/detail/15506446/
2018年10月27日 10時15分 Sportiva