新宿・歌舞伎町のホストクラブグループ「クラブ愛」の元社長で「ホスト界の帝王」とも呼ばれた愛田武(あいだ・たけし、本名・榎本武=えのもと・たけし)さんが25日午前3時過ぎに都内近郊の病院で死去した。78歳だった。

 愛田さんの長男・孝さん(53)によると、愛田さんは2011年の夏に3度目の脳梗塞を患った後、認知症の症状が出たことから、都内近郊の老人ホームで過ごしていたという。孝さんが最後に会ったのは1年ほど前で「その時は私の顔は分かったが、電話をしたりお金の管理などは難しくなっていた」と話した。

 1940年に新潟県に生まれた愛田さんは、家出同然で上京。ベッド販売でトップセールスマンとなった後に起業したが失敗して倒産した。その後、巧みな話術を武器にホストに転身。71年に独立し、新宿に「クラブ愛」(現在の愛本店)をオープンした。その後は、自身もホストとして店に出る一方でホストクラブを経営する「愛田観光」の社長に就任して手腕を発揮。日本有数のグループにまで育て上げた。同グループからは、後にタレントとなった城咲仁(41)ら人気者も生まれた。

 メディアにも積極的に登場し、日本テレビ系のバラエティー番組「マネーの虎」などに出演。自身の経験を記した「ホスト王・愛田流 天下無敵の経営術」などの著書もある。また、マイナスのイメージがある業界をクリーンにするために、07年に業界団体「歌舞伎町ホストクラブ協力会」を設立。自ら初代会長となり、「ぼったくり営業」などの根絶に取り組んだ。

 城咲仁はこの日、“恩人”の訃報に接し「愛田武さんがいなければ、今の僕が存在することは絶対にありませんでした」とコメント。「クラブ愛」のホスト時代を振り返り、「激動の時代に、日本にはなかったホストという世界を一から作り上げた水商売の神様である愛田さんに多くのことを学びました。本当にありがとうございました」としのんだ。


10/26(金) 6:15配信 スポーツ報知
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