あの「東京ラブストーリー」のカンチ&リカが27年ぶりに共演などと、始まる前から話題をさらっている織田裕二主演・新月9ドラマ「SUITS/スーツ」(フジテレビ系)。フタを開けてみれば織田演じる超エリート弁護士と中島裕翔演じる天才的な記憶力を持つフリーターがさまざまな訴訟を解決していく。

 確かに織田&保奈美の再共演だけがウリというのも不安だろうし、若い視聴者にアピールするためにも中島は不可欠。この保険作戦がうまくいって初回視聴率は14.2%を記録。しかし、2回目は11.1%と一気に3ポイントも落ちてしまった。下げ止まってくれるのか。

 これは全米でメガヒットしたドラマを原作にしている。英国ヘンリー王子を射止めたメーガン・マークルが出演したことでも話題になった。

 ちなみに、日本版では新木優子演じるパラリーガル役だ。米版は現在シーズン8が放送中で、今回はシーズン1をもとに描いているという。ということは、あわよくばシーズン8までやれるわけで、当たればテレ朝の「相棒」のように、安定して数字が取れるコンテンツとして大化けするかもしれない。

■“いいスーツ”が3万〜4万円では

 だが、それにしてはショボい。

 タイトルにもなるほど重要なスーツにまつわる場面。織田が「いいスーツを買え!」と中島にポケットマネーを渡すシーンがあったが、見たところ、渡した金は3万〜4万円、それじゃあ“吊るし”しか買えないよという感じ。衣装代なんかケチるなら米ドラマをリメークしようなどという大それたことを、やんなきゃいいのに。

 先日、「めざましテレビ」に出演した織田がこんなことも語っていた。

「日本でやるっていうと正直な話、町工場パワーなんで。パワーが全然違うんで、その差は意地で埋めるしかない……東京が舞台なんですよ。キラキラとした東京を撮りたいんですよ」と。

「東京ラブストーリー」じゃないんだからキラキラした東京はとくに必要ないかと思うが。逆に全部セットでやったるよという町工場の意地もないのだろうか。

「下町ロケット」の阿部寛の爪の垢でも煎じて飲みなさい!

■キャストもゲスト陣も豪華版

 一方、13日にスタートしたWOWOW「連続ドラマW コールドケース2〜真実の扉」も米ドラマが原作だが、こちらもさほどお金をかけているとは思えないが、ショボ感はゼロ。原作を踏襲しつつも、日本版独特の香りも醸し、新たな世界観を作り込んでいる。主演の吉田羊以下、三浦友和、光石研、滝藤賢一、永山絢斗の捜査一課チーム、そして毎回のゲストがすごい。見てみたくなる。

 この違いはいったいなんなのか。米原作ドラマを見比べてしみじみ思ってしまった。

公開日:2018/10/21 06:00
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/239998/1