あっと驚く投手交代だった。2−1の五回2死走者なしから先発の今村が二塁打を許し、ここで巨人・高橋監督が動いた。好投していた左腕を下げて、
上原を投入。背番号11は相手の核である山田哲に対し、変化球で空振り三振に仕留めた。“奇策”は吉と出た。

 「場数を一番踏んでいる投手。しっかり(力を)出してくれた」と高橋監督。続く六回も腕を振った上原は中軸を三者凡退に仕留めた。殊勲の43歳は
「ゼロに抑えられた。本当にうれしい」と率直に喜びを口にした。

 一回の攻撃では、四球で出塁した田中俊が次打者の初球で二盗に成功。七回には陽岱鋼がヒットエンドランを成功させ、追加点をもぎ取った。
リーグ戦ではあまり見られなかった積極的な采配の連続だった。

 「後がないというところで、シーズンと違った部分もある」と指揮官。今季限りでの退任が決まった影響もあるのか、試合中の表情は生き生き
しているようにも映った。

 ヤクルト先発の小川には8連敗中だった。4番岡本が一回に先制犠飛、主将坂本勇が三回に決勝ソロを放つなど役者も確実に仕事をし、難敵を撃破。
勢いそのままに、第2戦はエース菅野が先発のマウンドに向かう。

 試合後のヒーローインタビュー。上原は菅野にメッセージを送った。「一人で投げきってください」。ファイナルステージ進出へ、俄(が)然(ぜん)、
巨人が有利な状況に立った。(浜田慎太郎)

産経新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181013-00000574-san-base
試合後 今村信貴(右)とタッチを交わす巨人・高橋由伸監督=神宮球場(長尾みなみ撮影)
https://amd.c.yimg.jp/amd/20181013-00000574-san-000-1-view.jpg