DeNAも原氏も共に「神奈川県出身」

デイリー新潮は昨年10月、「『DeNA新監督に原辰徳就任』――ラミレス監督続投でも消えない噂の“真相”」という記事を掲載した。
ところが10月10日、巨人は高橋由伸監督(43)の後任として、原辰徳氏(60)に来季の監督就任を要請したと発表した。

表面的には「原氏とDeNAの間には縁がなかった」ということになるのだが、舞台裏は全く違ったのだという。原氏をよく知る人物が明かす。

「当然ながら極秘の話ではありますが、DeNAは原さんにラブコールを送り続けていました。
原さんは東海大付属相模高校から東海大に進みましたから、“出身母体”は神奈川県の野球界なのです。
実際にメッセージを伝えたのは神奈川県の商工会議所で、『ベイスターズに来てくれるなら、最大限の待遇をする』と確約したそうです。
原さんのお父さんは2014年に78歳で亡くなられた原貢さんですが、神奈川県高野連とも深い関係を持っておられました。
何より貢さんは生前、息子に『巨人以外の監督もやったほうがいい』とアドバイスしていたそうですからね。
そのような背景から、原さんもDeNAの指揮を執ることに前向きだったそうです」

当然ながら巨人は激怒

しかし、巨人にとってDeNAからのラブコールは、かなり不愉快な話だったという。スポーツ紙デスクが解説する。

「現在、原さんは巨人の“球団特別顧問”という肩書を持っています。
それを、ご本人がどう評価しているかまでは知りませんが、少なくともジャイアンツ側からすれば、顧問という形で原さんを遇している。
有り体に言えば、なにがしかのお金を払っているわけです。
それだけ巨人にとって原さんは、今も“巨人の人”、失いたくない人材なんです。
ところがDeNAが動き、原さんも真面目に検討していた。
巨人にすれば、うちの人間に手を出すとは何事かと、不愉快だったようですよ。
その一方で原さんは、DeNAの監督就任に前向きだった。
そういう事情もあって、巨人は高橋監督の後任として直ぐに声を掛けたというわけです」

ミスタージャイアンツたる原辰徳をDeNAに渡すわけにはいかない――巨人にはそんな思いもあったようなのだ。
前出の関係者が解説する。

「DeNAと巨人から“求愛”され、原さんにとっては『両手に花』という状況になったわけです。そして、原さんはあっさり巨人に戻る選択をしました。
元々、原さんは『巨人の監督をもう一回やりたい』と言っていました。
つまり、巨人の監督に復帰すれば3回目となり、2回の長嶋茂雄氏(82)と藤田元司氏(1931〜2006)を抜き、球史に名を残すことができるからです。
今回の復帰で、自らの野望を実現させたことになりますね」

3回目の監督という“名誉”が、あえて火中の栗を拾わせた動機だという。
いかにも数字に拘る野球人らしいが、「今の巨人を立て直すのは至難の技」という指摘も聞こえる。
今回の選択、吉と出るか、それとも……。

週刊新潮WEB取材班

2018年10月11日 掲載

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181011-00550006-shincho-base
10/11(木) 6:00配信