乙武:
元格闘家の須藤元気くんが、いまは「WORLD ORDER」という
ダンスユニットを率いているのですが、「いまの時代、CDやDVDを
売ろうとするだけではビジネスとして成り立たない。
むしろ、コンテンツはYouTubeなどでがんがん流して多くの人に存在を知ってもらい、
いかにLIVEに来てもらうかを考えている」といってました。

宇野:
おそらくいまの日本では、完成された作品をただ受け取るだけの文化は、
とくに若い世代にはもう飽きられています。それよりも、未完成のものを自分が
参加して変化させていく過程の方を面白く感じる人が多いんです。
昔の文化論が好きな人は、それを文化の堕落のように批判するけれど、
僕はそう判断するのは早計だと思う。テクノロジーや社会の変化にともない、
何にドキドキするのかという定義が変わってきているんですよ。

乙武:
なぜ人々がAKBにこれほど熱狂するのか、その仕組みを考えることで
何らかのヒントが得られるかもしれませんね。