現在は、他分野の映像制作も請け負うようになったというU氏。
現在の「心霊班」は3人で、そのほかにアルバイトの学生部隊がたくさん在籍している。

「サークルの飲み会や、ゼミの授業風景をゲリラで撮影してもらい、映像ひとつにつき5000円で買い取っています。
撮られている側は、心霊映像に使われているとは思わない。
いまは視聴者の目が肥えてしまって、作りものだと承知のうえで、いかに怖がらせてくれるかを楽しみにしている。撮影方法は過激化しています」

そんな杜撰な制作態勢だけに、トラブルもつきものだ。
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「数年前、ある施設を “廃墟” ということにして、心霊映像を撮影し、某テレビ局に提供したんです。
現実には営業中の施設なので、建物にはモザイクをかけるよう念を押していたんですが……そのまま放送されてしまった。
当然、施設側からはクレームの嵐で、某テレビ局は責任回避をするばかり。つい最近までもめておりました(笑)」

そんなこともあり、現在は心霊作品の制作からの撤退を考えているというU氏。

「先日も、番組への素材提供をお断わりしたんですよ。
心霊写真の真偽を検証する番組だったんですが、そもそもぜんぶ嘘なのに、検証も何もないでしょうって(笑)」

日本を覆った心霊ブーム。その背後には、U氏のような魑魅魍魎たちが跳梁していたのだ。

(週刊FLASH 2018年9月11日号)