体内で異物を攻撃する免疫反応にブレーキをかけるタンパク質を発見し、前日1日にノーベル医学生理学賞の受賞が決まった“熱烈虎党”の本庶佑京都大特別教授(76)が2日、MBS系の情報番組「ビビット」に生出演。阪神浮上のポイントを「指揮官の交代」とズバッと指摘した。チームは同日夜、広島に0−1で敗戦。2試合連続で1点も奪えず、借金は今季ワースト14に膨らんだ。

 ノーベル賞を受賞した世界の本庶特別教授がタイガース愛を全開にさせた。受賞から一夜明け、「ビビット」に出演。研究についての話題から一転、自らも虎党である堀尾正明アナウンサー(63)から「阪神タイガースのファンだとうかがっておりますが…」と聞かれると、「ハイ、ハイ」とうなずき、虎再建論のゴングが鳴った。

 堀尾氏「5位と6位をうろちょろしておりますが、どうすれば強くなるとお思いですか?」

 ファンなら誰もが聞きたいところ。すると…。

 本庶氏「まず、指揮官の交代です」

 生放送で、いきなりズバッと一刀両断。ド直球の意見にスタジオはドッと沸き、堀尾アナも思わず苦笑いだ。

 京都市出身の本庶氏。実は元監督で2005年にリーグ優勝に導いた岡田彰布氏(60)=野球評論家=の後援会「メンバーズ80・岡田会」会長を、発足した04年から務めている。衆院議員の前原誠司氏(56)=国民民主党=や参院議員の福山哲郎氏(56)=立憲民主党=らも名を連ね、年に1度のチャリティーゴルフや交流会を行う。多忙な研究の合間に楽しむはずの野球観戦だが、今は…。

 「戦力はねぇ、やはり、もっとねぇ、打つ人が欲しいですね」

 さすがに阪神の話ばかりというわけにいかず、スタジオから「ゴルフの予定は?」と違う質問が飛んだが、虎への思いは、もう止まらない。

 「それと、やっぱり藤浪をね、藤浪をもうちょっと活用しなければいけません」

 質問を聞き終わる前に自ら藤浪について言及。9月中旬から3連勝も、今季まだ5勝の右腕の起用法についても、注文を忘れなかった。

 全国放送で爆発させたタテジマ愛。05年以来の優勝を早く味わいたいからこそ、その言葉は厳しくなった。


本庶 佑(ほんじょ・たすく)

 1942年1月27日生まれ、76歳。京都市出身。山口県立宇部高、京都大医学部卒。米カーネギー研究所や米国立衛生研究所の研究員などを経て79年に37歳で大阪大教授に就任。84年に京都大教授となり2017年特別教授。静岡県立大や神戸市の先端医療振興財団の理事長を歴任。免疫反応で多様な抗体が作られる仕組み「クラススイッチ」の発見もノーベル賞級の成果とされる。恩賜賞・日本学士院賞、ロベルト・コッホ賞などを受賞。文化勲章、文化功労者。
https://www.sanspo.com/baseball/news/20181003/tig18100305030008-n2.html