大相撲の貴乃花親方(46)=元横綱=の電撃退職会見を受け、永田町で「政界進出」の観測が流れている。
「平成の大横綱」として国民的人気があり、日本相撲協会との対立を恐れず、愚直に改革を訴えた「一匹狼」は、来年夏の参院選などで目玉候補になる可能性もある。
角界のサラブレッドをめぐり、与野党の争奪戦が勃発するのか。

「昔から言っているんだけど、『国会議員でもやれよ』と。
『外から改革するのも可能じゃないか』と言ったら、笑っていた」。
元関脇貴闘力は26日朝、TBS系「あさチャン!」に生出演した際、こう話し、貴乃花親方に国会議員への転身を勧めていたことを明かした。

貴乃花親方は、政界と無縁ではない。
2001年5月の夏場所千秋楽で、右ひざを脱臼しながら横綱武蔵丸との優勝決定戦を制し、表彰式で、当時の小泉純一郎首相から「痛みに耐えて、よく頑張った。感動した!」と激賞された。

現役引退後は、親方として「相撲道」に精進する一方、暴力やパワハラ、なれ合いが残る相撲界を改革しようと、活動してきた。
志半ばで協会を去ることになったが、日本の武道界やスポーツ界には同様の古い体質が残っている。
参院選を機に政治家に転身し、角界の外からスポーツ界の改革に取り組む可能性について、与野党はどうみるか。

立憲民主党議員は「参院選に向け、党執行部が幅広い候補者をそろえたいことは間違いない」と話し、別の同党関係者は「親方本人にその気があれば、争奪戦になるだろう。比例代表候補として全国区の注目を集める潜在力を持っている」と語った。
改革実現には、与党に所属した方が断然有利といえる。

自民党関係者は「知名度も国民的人気も抜群だ」と語る一方、「これまでの急進的な言動を踏まえると、わが党での活動は難しいのではないか」と話す。
政治評論家の伊藤達美氏は「退職届が受理されれば、各党が声掛けに動く可能性もある。個性的なキャラクターは政治家と共通するが、強固な支持者と反対派に割れるタイプではないか。保守系野党で、議席拡大が急務である日本維新の会や希望の党などが擁立に意欲を見せれば、面白くなりそうだ」と期待を示した。

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180930/soc1809300004-n1.html?ownedref=not%20set_main_newsTop