貴乃花親方(46=元横綱)が25日夕方、日本相撲協会に退職届を出した後、東京都港区の弁護士事務所内で会見を開き、「貴乃花光司は、年寄を引退する旨の届けを提出いたしました」と語った。

 会見の最初、同席した弁護士から「午後1時、日本相撲協会に対し、年寄貴乃花の代理人として、年寄を引退する旨の引退届を出し、床山、世話人の千賀ノ浦部屋への所属先の変更願いを提出した」との説明があった。

 貴乃花親方は年寄引退の理由について、「貴ノ岩(28)への暴力問題について真実を隠さず追及したいと内閣府に3月9日、告発状を提出しました。その後、弟子の不祥事もあり(告発状を)取り下げましたが、何ら真実に反することはない。降格処分を受け、一兵卒として力士の指導、監督、審判業務を行ってきましたが、本日、協会から見解を示した書面が届き、告発状が事実無根のものと記されていた」と明かした。

 さらに「事実無根ではないと書面で説明したが、それを認めないと廃業せざるを得ないという有形無形の要請を受けた。また理事会で一門に所属しない親方は部屋を持てないと決まった。真実を曲げて認めることが私はできない」と訴えた。

 貴ノ岩の暴力問題に対し、告発状を出したことに関する協会側の圧力が引退の要因と語った。貴乃花部屋の関係者がこう打ち明ける。

「昨年の貴乃花の乱以来、親方はかなり、精神的に参っていた 家で急に大声で怒鳴ったり、物を投げたりして情緒不安定だった。当初、奥さんの花田景子さんは我慢強く見守っていたが、奥さんにまで悪態をつくようになった。それでついに奥さんも家を出てしまったようだ。今場所、貴乃花部屋の貴ノ岩など力士はよく頑張っていた。場所中に力士らは部屋がなくなること、親方が引退することは聞かされていたようだ。何人かは泣いて、親方のような横綱になりたくて部屋に入ったので、やめないでと言ったが親方の気持ちは変わらず、引退となった。 親方は理事長を目指してこれまで頑張ってきたが、理事降格などで気持ちが切れてしまった」

 日本相撲協会は27日の理事会までに、全ての親方が5つある一門のいずれかに所属しなければならない旨を通達。全親方のうち、貴乃花親方だけが、所属先が不透明のままだった。(AERA dot.取材班)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180925-00000092-sasahi-spo