9月16日、沖縄で引退の日を迎えた安室奈美恵。同時期から活躍していた滝沢秀明(36)も年内での現役引退を発表した。安室の今後は「普通のおばさんになる」と言うだけで不透明だが、滝沢はプロデューサーとして後輩の育成に当たるという。

 ジャニーズ事務所の創始者・ジャニー喜多川社長(86)から滝沢へ育成についての打診があったというが、「やるからには本気で。片手間は失礼」と滝沢は掛け持ちせずに芸能活動から身を引き裏方に専念するという。
ジャニー社長は「うれしくて涙がこぼれそうでした」と談話を出し、英才教育用の養成所をつくることも明言。まるでシナリオでもあったかのような流れだが、滝沢の男気ある決断に芸能界からも称賛する声が続出している。

 安室は自分で自分の道を切り開きトップシンガーまで上り詰めた。「やり尽くした」の言葉にファンも納得。「ありがとう」と感謝の言葉に変わった。一方、滝沢は類いまれな美少年が今後どう進化していくか楽しみにしていただけに、惜しむ声もある。志半ばにして方向転換した感もあるが、滝沢の方向転換の裏には事務所の台所事情も見え隠れする。

 創業56年――。ジャニー社長と姉のメリー喜多川副社長(91)の二人三脚で「帝国」とまで呼ばれる事務所をつくり上げた。ジャニー氏が男性タレントの発掘から育成までを担当。「男の子を見いだす才覚は他の追随を許さない」(某芸能プロ幹部)といわれている。

社長がつくり上げたタレントをメリー氏がテレビや映画界に売り込む。まさに分業制。グループとしてソロとして、役者から司会者まで適材適所に当てはめる。
それが見事に当たる。恋愛など個々のスキャンダルも適切に対応するノウハウもジャニーズならではの方法を確立している。そんな姉弟コンビもすでに高齢。後継者問題が近年の課題だった。

すでにメリー氏の後継者は娘の藤島ジュリー景子氏(52)が副社長として母親のマネジメント力を継承。来年早々にも社長に就任するといわれているが、ジャニー氏のノウハウを継承する者は空白になっていた。
タレントを育成できなければ新人は途絶える。ジャニー氏にとって一番の懸案だったはず。滝沢が了承したことで、問題は一気に解決。姉弟に代わりジュリー氏と滝沢の新コンビで分業制も継承できる。

 課題はすでに母親譲りのマネジメント力を発揮しているジュリー氏と来年から育成に従事する滝沢とのバランス。しばらくは事務所内の揺れも予想される。

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