2018年09月11日13時15分
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 神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館で9日に行われたセーリングのワールドカップ(W杯)江の島大会の開会式で、イルカのショーが披露されたことに対し、国際統括団体のワールドセーリングが「容認できない」と非難したことが11日、分かった。ワールドセーリングの広報担当者が明らかにした。<下へ続く>

 開会式は11日の競技開始に先立ち、9日夜に水族館の「イルカショースタジアム」に各国の選手や関係者を集めて開催。冒頭で日本の水族館では一般的な、イルカが高くジャンプして水しぶきを上げるパフォーマンスを披露した。しかし西洋社会では「イルカは神聖な動物」との考え方があり、一部の外国選手から当惑する声がインターネット交流サイト(SNS)などで上がっていた。

 ワールドセーリングは声明で「大会実行委員会が開会式でイルカの展示を取り入れたことに失望している」とした上で、「開会式の内容は事前にワールドセーリングの承認を受けなければならないが、実行委からの求めはなかった。判断の誤りと不快な思いを引き起こしたことを謝罪する」と述べた。
 W杯開催が初めてとなる今回の江の島大会は、2020年東京五輪に向けて運営面を確認するテスト大会となり、16日の閉幕までに五輪と同じ10種目が行われる。
 W杯の大会実行委員長を務める日本セーリング連盟の河野博文会長は、イルカショーについて「江の島らしさを象徴できるので選んだ。多くのお客さまに喜んでいただいたが、国によっても個人によっても考え方が違う。慎重さを欠いていた」と反省を込めて話した。