体操女子で2016年リオ五輪代表の宮川紗江(18)にパワハラ告発を受けた渦中の塚原光男・日本協会副会長(70)が6日、スポーツ報知の電話取材に応じ、元コーチの速見佑斗氏(34)が5日に都内で行った謝罪記者会見について言及した。
同コーチの謝罪発言に「素直に認めていた」としたが、一夜明けた6日にフジテレビ系「バイキング」で流れた宮川への強烈な平手打ちの映像を見て「許してはならないという思いが強くなった」と話した。また同コーチが発言した塚原夫妻の引き抜き行為に対し完全否定した。


 速見コーチの謝罪会見の印象について光男氏は「最初は素直に暴力行為をお認めになってたので、なかなか、いい男かなと思ったが、その後に日本協会の体制の批判を言い過ぎてどうかなと思った」と語った。だが一夜明け、この日の昼過ぎにテレビ番組で流れた視聴者提供の「強烈平手打ち」に「印象が変わった」。

 「衝撃的な映像を見て、これはちょっと違うな、こういうことまでしてたのかと。これは許してはならない。協会が処分した内容は正しかったという思いが強くなった」と指摘。それでも宮川が同コーチを支持する姿勢に「これらの暴力を容認しているのか、受け入れてるのか、信じているのか。これはもっと大きな問題だと思った。暴力を受けて訴えも何もしないのだから」。2人の関係に疑問を抱いたという。

 速見コーチが謝罪会見で発言した「3回の引き抜き行為」については「一切ありません」と全面否定した。

 光男氏は朝日生命体操クラブの男性コーチを介し「3年ほど前に」速見コーチと接触自体があったことは認めたが「練習環境に困っているようだったから、僕らは相談に乗ったと思ってた。それが(宮川、速見氏が主張する引き抜き行為の)最初のきっかけになったのかも知れない」と説明した。この男性コーチと速見氏は、以前に徳州会体操クラブでコーチと選手の関係だったという。
「ウチの指導員が(練習環境に困っているようだ)と言ってきたので、(宮川は)優秀な選手だから、それだったらウチ(朝日生命体操ク)ならいい環境を提供できると。ちょっと聞いてこいとなった」。

 当時、宮川と速見氏が所属していたクラブの代表者と速見氏、当該コーチと会食し、当該コーチから「ウチならもっといい環境を提供できるからどうなの」と提案したという。

 光男氏は「オーナーの方(宮川のクラブ代表者)は『そうなったらどうぞ2人で行っていいですよ』と言ってくれましたが、ところが速見コーチから『いや、私たちは2人でやりたい』とお断りをされた」と説明した。

 宮川らが勧誘をのほめかされたと主張する「朝日生命の部屋が空いている」という発言にも言及。光男氏は、NTC(味の素ナショナルトレセン)と朝日生命体操クラブは、競技別強化拠点施設としてのナショナルトレーニングセンターの委任を受けていると説明。
「宿泊の問題が出たら(朝日生命体操クラブの)近くに合宿所として借りている部屋があり『そこで泊まることもできますよ』と話したら、それが朝日生命の寮かと勘違いされていたみたいです」とした。

 2020年東京五輪強化プロジェクト参加拒否を巡り、NTCの利用制限など妻の千恵子・女子強化本部長による圧力疑惑については「大変な勘違い」と反論した。

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