北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督が、ヴィッセル神戸との対戦を終えて、“ビッグネーム”について持論を展開した。

札幌は1日の明治安田生命J1リーグ第25節で神戸に3-1と快勝。敵には世界的スターのアンドレス・イニエスタ、ルーカス・ポドルスキが出場するなか、強力攻撃陣を1点に抑えて3連勝を飾った。

相手にはビッグネームがいたが、どういうことを試合前に植え付けたのか?記者からの質問に対し、ペトロヴィッチ監督は「私はほとんどの人とは違ったサッカーの見方をしている。サッカーは個人競技ではない。コレクティブな戦いです。ビッグネームがいると、チームが機能しないことはサッカーの世界ではよくある話です」とミシャ節を炸裂。

そのうえで神戸を引き合いに出し「札幌にはそうしたスター選手はいませんが、我々には個々が役割をまっとうする“チーム”がある」と強調。「もちろん、相手のビッグネームには個のクオリティがありますが、私は“チーム”としてのクオリティで対応していく。これまでは“チーム”として五分の戦いをしてくることができました」と、個ではなく組織で戦う姿勢を貫いた。

さらに、ミシャは続ける。

「90年代に素晴らしい選手たちがJリーグにはいましたが、その頃と今のJリーグは異なる。個の力を持つ選手が2、3人いれば優勝争いできるのが過去のJリーグだったと思う」

「私は12年前から日本で仕事をしていますが、当時と比べて日本のサッカーは大きく成長しています。かつては有力な外国籍選手に対して日本人選手が臆していたようなところがありましたが、この試合でご覧になったように、我々の選手はイニエスタ選手やポドルスキ選手に対して恐れることなくプレーをしてくれましたし、自信も持てたはずです。それが示すように日本人選手というのは成長している」

かつて隆盛を極めた90年代のJリーグにはジーコや、ストイコビッチといった名プレーヤーが在籍し、多くの記録を打ち立ててきた。その圧倒的存在感に臆していた日本人選手が今や対等以上に戦えていること。名将が「Jリーグは成長した」と断言できる理由はそこにあった。

そして指揮官は日本人選手が「もっと評価されてもいい」と話す。その理由として「我々のチームにはたくさんのいい日本人選手がいる。より彼らに注目してほしいですし、日本人選手の活躍が日本のサッカーを強くするから」と説明。例えば「チャナティップはイニエスタのようなプレーができる選手」とタイの英雄を名指しで絶賛。「(彼は)すでに札幌で1年間プレーをしていますが、彼はイニエスタ以上に注目していい選手」と太鼓判を押した。

札幌は順位が拮抗していた神戸を退け、ACL出場圏内となる3位・FC東京とついに勝ち点41で並んだ。個ではなく組織で戦い抜いた結果がハイペースでの勝ち点奪取につながっている。

「神戸も彼らがいるからといって優勝できるとは限らない。特定の強力なプレーヤーがいるチームが優勝できるのは過去の話だと思う」

混戦模様となった今年のJ1。大改革を敢行する札幌は果たしてどの順位でフィニッシュするのか、今後の活躍に注目だ。

9/1(土) 23:50配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180901-00000029-goal-socc