障害者のための情報バラエティー『バリバラ』(NHK・Eテレ)が25日に生放送でオンエアされた。

「障害者はテレビを救う」をテーマに掲げた内容が、裏で放送している『24時間テレビ』(日本テレビ系)への皮肉だと話題になっている。

■テレビに「おいてけぼり」の現実
番組では、知的障害者、視覚障害者、聴覚障害者たちがそれぞれ、テレビに「おいてけぼり」にされた瞬間を語り、「脱おいてけぼり」になるにはどうすればいいかを考える内容を放送。

手話に対応した放送が1日あたり30分ほどしかないことや、手話と日本語では文法が違うため混乱してしまうこと、字幕の流れが早すぎるため追いつかないことなど、見る番組が限られてしまうなどの悩みが寄せられる。

番組では生放送にも関わらず、手話や副音声での音声解説、わかりやすい日本語に直した字幕が入るなど、誰でも楽しめる工夫が凝らされていた。

一方、『バリバラ』と同様にさまざまな障害者が出演する『24時間テレビ』だが、入るのは高速で流れるテレビの字幕のみ。聴覚が不自由な人にとっては、けっして優しい番組とはいえない。もちろん、手話による解説もない。

■「攻め続けてほしい」の声
『バリバラ』で掲げられた「障害者はテレビを救う」というテーマや、出演者たちが黄色いTシャツを着用していることなど、『24時間テレビ』を意識していることは間違いないだろう。

ネット上では「今年も攻めてる」「さすがNHK」との声が相次いだ。

24時間テレビにバリバラをぶつけるEテレ。やはり攻めてる…。#Eテレ #バリバラ #24時間テレビ41

— naru (@12na17ru) August 26, 2018

相変わらずEテレは攻めてるな。
総合のように無難にならずに攻め続けて欲しい。受信料はEテレの為に払ってるようなもんだ #バリバラ #Eテレ

— chairo (@chairo_love) August 26, 2018

#バリバラ
今年も攻めてるなぁ
毎年、目からウロコが落ちる!#クロス

— Lucifer (@Lucifer41642039) August 26, 2018

■問題提起に「24時間テレビは見習うべき」
また、障害者たちもテレビを楽しめるようにしようという試みなど、ただのパロディでは終わらない問題提起の数々に、「今まで気づかなかった」「24時間テレビはバリバラを見習うべき」と称賛の声が相次いでいる。

今年もバリバラ攻めたね

24時間テレビもさ、本当に障害者のことを考えるなら、バラバラみたいに障害者の方々に寄り添い 健常者も障害者の方たちも共に楽しめる番組作りをするべき

私たちもいろんなことを知り考えることが出来る
寄り添うことが出来る

#バリバラ #優しい字幕 #手話#24時間テレビ

— みーたん (@mogumog47298986) August 26, 2018

バリバラが30分で短いってツイートがたくさんあって、自分もそう思うんだけど、障害者でも楽しめる番組を本気で作ろうとしたら、30分が限界なのかもしれない。作る側も視聴する側も。
そう考えると24時間テレビって誰向けの番組なんだろう?健常者の自己満足にしか思えなくなってきた。

#バリバラ

— とますさん (@tom_as_san) August 26, 2018

#バリバラ 案の定攻めてるな〜。それにしても手話の件は気付かなかった。24時間テレビでも見たことないもんね。一体誰の為の何を目的とした番組にしなきゃいけないのかバリバラ見て5分で気付かされたわ。24時間テレビを聴覚障害者が見ようとは思わんわな。

— TAKE (@PatriotismTAKE) August 26, 2018

『24時間テレビ』の売りともいえる「感動」だが、障害者の中には肝心の内容が理解できていない人もいる。一体、誰のための番組なのか、『バリバラ』が視聴者たちに気づかせたものは大きいだろう。


(文/しらべぇ編集部・鳩麦エスプレッソ)

しらべぇ2018年8月26日20時30分
https://news.infoseek.co.jp/article/sirabee_20161766243/?ptadid=