SFホラーの傑作として熱狂的な人気を誇るジョン・カーペンター監督の「遊星からの物体X」(1982)が、デジタルリマスター版となって36年ぶりにスクリーンで公開されることがわかった。あわせて、氷に閉ざされた背景に、正体不明の隊員服姿の男が立ち尽くす不気味なポスタービジュアルが披露された。

「ニューヨーク1997」「ゼイリブ」などSF、ホラーの名手として知られるカーペンター監督が映画製作を志すきっかけになったという、巨匠ハワード・ホークス監督「遊星よりの物体X」(51)のリメイク。南極基地に現れた得体の知れない宇宙生物と、12人の隊員たちの死闘を描く。「バックドラフト」「エグゼクティブ・デシジョン」などで知られ、本作への出演でハリウッドスターとして活躍するようになったカート・ラッセルが主演を飾る。

後に「ロボコップ」「ミッション:インポッシブル」などを手掛けることになる、当時22歳のロブ・ボッティンがデザインしたグロテスクで斬新なクリーチャーも本作の見どころのひとつ。世界の視覚効果のプロが選ぶ2017年の「VES 70:史上もっとも影響力のあるVFX映画」に選ばれるなど、後代のクリエイターに多大な影響を与えた。また本作は、2016年に情報誌Time Outロンドン版に掲載され、スティーブン・キングやギレルモ・デル・トロらが選んだ「ホラー映画のベスト100」で第6位にランクインし、長年に渡りSFホラー映画の至宝として君臨する強さを見せつけた。

復活に際しSF、ホラー映画も多く手掛けてきた黒沢清監督からコメントが寄せられ「すごい特殊造形と、すごい俳優と、すごい音楽があればすごい映画ができ上がる。他は何もいらない。それは、1982 年カーペンターのこの作品によって実証された映画の基本原理だ」と絶賛している。

「遊星からの物体X」デジタルリマスター版は、10月19日より東京・丸の内ピカデリーほか全国公開。

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