熱戦が幕を開けた第100回全国高校野球選手権記念大会。
手に汗握るせめぎ合いは褐色のグラウンド上にとどまらず、スタンドでの応援もまた真剣勝負だ。
その戦いに彩りを添える応援曲のラインナップに近年「異変」が起きているという。どういうことなのか。

■「狙いうち」が消えた夏

「さぁ、2017年の応援歌ランキングトップ20、さっそく行きましょう」

7月末、テレビ朝日系列で放送された番組「アメトーーク!」の人気企画「高校野球大好き芸人SP」の一場面。
昨夏の甲子園で演奏された、応援曲のVTRが次々に流された。
耳慣れた曲が下位から順に次々紹介される。しかし、「あの曲」が最後まで流れない。

♪ウララ ウララ ウラウラで

山本リンダさんの「狙いうち」だ。50年近く前の曲だが、高校野球にとどまらず、明治大学が「チャンステーマ」として使い、プロ野球・中日の応援団も演奏していたことがある。
16年8月6日の朝日新聞は「これからも応援の定番として使われていくのかな。
高校生たちが、私の『狙いうち』を通り抜けて大人になっていくと思うと、誇りを感じちゃいます」という山本さん自身の言葉も紹介している。

「甲子園ヒットチャート」の変化は「狙いうち」以外にもある。07年夏の甲子園で朝日新聞は、
出場49校が初戦で演奏した全曲を試合映像をもとに確認したり、各校に問い合わせたりして調べた。
テレビ朝日は今回の調査方法については公にはしていないとし、朝日新聞調べとの単純な比較はできないものの、トップ10のうち6曲が入れ替わっている。

10年前のトップ10に入っていた6曲のうち「夏祭り」は12位、「ポパイ・ザ・セーラーマン」は16位に残ったが、
「狙いうち」のほか「どかーん」「タッチ」がトップ20からも消えている。朝日新聞では応援曲としてカウントした天理(奈良県)オリジナルの「ファンファーレ」の扱いについては、テレビ朝日は明らかにしていない。

こうした傾向について、野球音楽評論を手がけるスージー鈴木さんは「トップ20から消えた曲も、演奏されなくなった、ということではないと思う。多くの曲が少しずつ選ばれるという多様化、分散化が起きているのだろう」と分析する。

その上で「新たにトップ10入りした『SHOW TIME』『SEE OFF』も『タッチ』『サウスポー』同様、テンポの速いマイナー(短調)の曲」と指摘し、「1970〜80年代の懐メロが、似た曲調の現代曲に『代替わり』しつつある」との見方を示す。

昔ながらの「タン・タン・タタ・タン」という4分音符を基調としたリズムの人気もいまだ根強いが、変化の兆しもある。
鈴木さんが着目するのは「エル・クンバンチェロ」「サンバ・デ・ジャネイロ」というラテンのリズムが2曲チャートインしている点だ。

「『今までとは違うものを』という高校生たちの指向が見て取れる。今年の夏はどうなるのか、スタンドにも注目していきたい」


■2007年夏のトップ10(朝日新聞調べ)

(1)ファンファーレ(44校)

(2)アフリカン・シンフォニー(VAN MCCOY、33校)

(3)サウスポー(ピンク・レディー、23校)

(4)狙いうち(山本リンダ、21校)

(5)紅(X JAPAN、19校)

(6)ルパン三世のテーマ(16校)

(7)ポパイ・ザ・セーラーマン(15校)

(8)どかーん(真心ブラザーズ、14校)

(8)タッチ(岩崎良美、14校)

(10)夏祭り(ジッタリン・ジン、13校)


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180810-00000072-asahi-spo
8/10(金) 15:52配信

https://www.youtube.com/watch?v=liW1MjMBOfU&;t=67s
2011 夏の甲子園 習志野応援団D 狙い撃ち!(うらら)

https://www.youtube.com/watch?v=7ECCOdEmQUw&;start_radio=1&list=RD7ECCOdEmQUw
《吹奏楽ヒット》狙いうち/山本リンダ

https://www.youtube.com/watch?v=2V9nBFIR7dA
中日ドラゴンズ チャンステーマ1(狙い撃ち)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180810-00000072-asahi-spo
8/10(金) 15:52配信