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2018.07.21

 2018年の上半期映画興行ランキングTOP10は、表のような結果になった。邦画と洋画が5作ずつのランクインとなり、内訳は邦画アニメ2作、邦画実写3作、洋画アニメ2作、洋画実写3作。昨年は『美女と野獣』が125億円で1位だったが、今年は100億円超えはゼロ。6年連続のシリーズ興行収入記録更新となった『名探偵コナン ゼロの執行人』が、昨年の『名探偵コナン から紅の恋歌』(68.9億円)から興収比120%を超える伸びを見せてシーンをけん引したものの、全体では昨年上半期興収の10%ほどの減になるようだ。

 今年上半期にシーンをにぎわせていた洋画だが、最大のトピックはミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』だろう。昨年の『ラ・ラ・ランド』(44.2億円)のヒットも記憶に新しいが、近年の女性層を中心にミュージカル映画へ期待感が高まる流れを上手く汲みとり、それに見事に応えるクオリティが『ラ・ラ・ランド』を超える大ヒットにつながった。近年のミュージカル映画は、サントラ盤やサントラダウンロードもヒットしていることが特徴的。ミュージカル映画のもっとも重要な要素である楽曲のよさで、音楽と映画の相乗ヒットになっている。

 そのほか洋画を見ると、シリーズ前作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年/116.3億円)から興収比64.5%と厳しい数字になったが2位の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(75億円)、ディズニーからアニメと実写シリーズの大作『リメンバー・ミー』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、約6年ぶりのドリームワークス日本劇場公開作品となった『ボス・ベイビー』。

 この並びを映画ジャーナリストの大高宏雄氏は、「ディズニーの定番シリーズ、メジャースタジオのアニメーション、ミュージカル映画と今の洋画シーンを象徴している充実した布陣。そのなかでも、安定した人気のディズニー作品の間に『グレイテスト・ショーマン』がランクインした意味は大きい」。昨今のミュージカル映画人気が一過性のものではなく、ある程度の観客の規模を持って定着してきていることが示されている。

 一方、気になるのが邦画実写だ。『第71回カンヌ国際映画祭』にて最高賞=パルムドール受賞という強烈な追い風が吹いた『万引き家族』を除くと、ランクインした2作は昨年12月公開のお正月映画。今年に入って公開された邦画実写(1〜6月公開)で、20億円を超えたのは『万引き家族』のみになる。大高氏は「とくに東宝などが得意としてきた漫画実写化作品などで10億円に届かない作品が多い。その理由は作品ごとに異なりますが、これまである程度成功していた、人気のある漫画や小説を下地にする作品に観客が集まらなくなっています。似たような作品が増えすぎて飽きられている面もありますが、原作がおもしろくても、それが映画になったときに楽しめるかは別問題。映画化にふさわしい題材かどうかです」と、昨年から尾を引く邦画実写低迷の現状を分析する。

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