日本サッカー協会が、日本代表のロシアW杯終了後、次期代表監督の有力候補に挙げていたフランス人のアーセン・ベンゲル氏(68)と接触し、話し合いが決裂していたことが14日、分かった。

既に前ドイツ代表監督のユルゲン・クリンスマン氏(53)とも破談。協会内にはW杯の結果を受けて日本人監督を推す声が多く、現状ではU―21日本代表の森保一監督(49)のA代表との兼任案が、20日の技術委員会で諮られる。

 日本協会関係者とベンゲル氏は、日本代表がロシアW杯で16強敗退後、モスクワで極秘に接触した。同氏は昨季限りで22年間指揮したプレミアリーグの強豪アーセナルの監督を退任し、招聘(しょうへい)のチャンスではあった。過去にJリーグの名古屋を率い、トルシエ元監督を紹介するなど日本サッカーを理解し、つながりもある。W杯前から水面下で意向を調査し、就任の可能性を探り直接話し合ったが、条件面で合意に至らなかった。

 日本協会では既に、もう一人の外国人候補だったクリンスマン氏と破談。外国人監督の売り込みもあるが、技術委員の中には、対話と日本人の持ち味を生かし下馬評を覆して16強入りした西野朗監督(63)の路線を継続するため、日本人指揮官に22年カタールW杯への道を託そうという声が多い。複数の委員からは「日本人がやる時代。このタイミングなら森保さんしかいない」「委員会では日本人を推す」「世界で勝つことを考えると外国人の方がいいとは思うが、日本人でも問題はない」などの意見がある。そのため、20日の技術委員会では、ロシアW杯でA代表のコーチを務めたU―21代表の森保監督の兼任が最有力案となる。

 技術委員会では4月に一度、ロシアW杯後の日本人監督路線を確認したが、その後、一部委員から外国人も含め幅広く候補者を探すべきとの意見が出たため、外国人指導者を複数リストアップした。だが、合意に至った候補者がおらず、日本人監督案に回帰することになった。

 ただ、ほかの外国人候補を推す可能性のある委員もおり、2つの代表カテゴリーを指揮する森保氏の負担が大きいなどの声もあるため、技術委員会で最終調整する方針。ある技術委員は「最後は関塚(隆)委員長に一任という形で、田嶋会長と話して決めるだろう」と話す。田嶋幸三会長(60)は7月中に新監督を決めたい方針で、森保氏本人の意向も含め課題が解消できれば、理事会に推挙される見込みだ。

スポーツ報知 7/15(日) 6:08配信
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