松坂12年ぶり球宴「全力で」真っ向勝負「純粋に勝負できる唯一の機会」
2018年7月13日 09:30 スポニチ Sponichi Annex 野球
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「感謝」と心境を書いたボールを手に笑顔の松坂(撮影・椎名 航)
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◇マイナビオールスターゲーム2018第1戦(2018年7月13日 京セラD)

【夢舞台 帰ってきた男たち(1)】「マイナビオールスターゲーム2018」は13日に京セラドームで第1戦が行われる。ファン投票の先発部門で選出された全セの中日・松坂大輔投手(37)は12年ぶりの出場。
背中の張りもあり、6月8日以来のぶっつけ先発となる同投手がスポニチ本紙の単独インタビューに応じた。

――ファン投票で約40万票を獲得した。

「体調が万全でない中で、うれしさと驚きがありましたが、同時にファンの方々の思いに応えるためにも、何とか球宴に間に合わせないといけないとの思いがありました」

――12年ぶりの出場で球宴に対する捉え方に変化は?

「(西武)ライオンズにいた時は全球ストレート勝負という気持ちしかなかった。今はどうやって抑えるかですね。少しでも見ている方々の記憶に残ってくれるプレーができればいいですね」

――第1戦に先発する。西武・山川が三振か本塁打の勝負を要望している。

「ある意味、投手にはプレッシャーです(笑い)。“投手不利じゃん”って。ただ、オールスターならではの勝負というものは当然ある。
勝ち負けを度外視して純粋に勝負できる唯一の機会。今、僕が出せる全力のボールで向かっていきたい」

――真っ向勝負をしたいとの思いはまだ残っているのか。

「真っ向勝負の捉え方は人それぞれ。自分の持てる力を出して抑えられればいい。でも、若い頃のように直球勝負の話に乗っかってもいいかな。
僕の今の直球は(微妙に)動きますけど(笑い)」

――今回の球宴で得たいものは何か。

「僕のためでもあるかもしれないが、チームの若い選手のためになるものを持って帰ってきたい。本来は若い選手が選ばれる成績を出して、他球団の選手と話す機会を自分でつくって、飛躍するきっかけをつかんでほしいと思っている。
ただ、今回は(中日の)投手は僕とガルシアだけ。僕が何とか良いものをつかんで、持って帰って伝えたい」

――具体的には。

「姿勢や考え方ですね。僕も球宴、WBC、オリンピックなどで得られる物は大きかったし、きっかけにして成長していく選手を何人も見ている。
(技術的には)落ちる球が僕は得意でない。得意としている投手がいれば聞いてみたいですね。菅野はとにかく制球がいいですよね」

――西武時代の球宴を覚えているか。

「1年目は中嶋さんの悪送球で負け投手になった。04年のMVPはナゴヤドームですよね。
小笠原さん(当時日本ハム)に試合の途中で“このままいったらMVPおまえだね”と言われたことを覚えています」

――2度目を狙う。

「投手として打たれにいくことはない。抑えにいきたいですし、その中で何かもらえるものがあればうれしい」

――打席に立ちたいとの思いは。

「(首脳陣から)立ってみるか?と言われたら喜んで立ちます。(対戦したいのは)球の速い投手。オリックスの山本選手も素晴らしいですよね」

――球宴が開催される大阪、熊本は大地震に見舞われた。西日本豪雨の被害も大きい。

「言葉にすると軽く聞こえてしまう。映像を見ると言葉は出ないです。その中で、試合を楽しみにしてくれている方がいる。少しでも笑顔になれる人たちが増えるならば…。選手たちで手助けできることがあれば試合前でも何かやりたい」

(中略)

――前半戦で3勝を挙げ、球宴にも出場する。松坂投手にとって「復活」への意識は。

「復活という言葉自体があまり好きではない。新しい自分のスタイルをつくり上げていっている途中。
どこかでまた方向転換するかもしれないし、今までにない自分をつくっていかなければいけないと思っています」