世界各国の戦力が拮抗してきている

海外サッカーに詳しいJリーガーにロシア・ワールドカップのベスト11を選定してもらう本企画。今回は、北海道コンサドーレ札幌の小野伸二が登場。

ロシア・ワールドカップも3位決定戦、決勝を残すのみとなった。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)や、GLT(ゴール・ライン・テクノロジー)など最先端の技術を駆使した大会は、選手たちの緊張感もひときわで、強豪国の苦戦や新世代の台頭など、印象的な熱戦が繰り広げられている。この世界最高峰の戦いから目が離せないのは、選手たちも同じだ。
そこで、Goalでは海外サッカーに造詣が深い超一流のJリーガーが選ぶ「ロシア大会ベスト11」を選定してもらった。今回は、1998年フランス大会、2002年日韓大会、そして2006年ドイツ大会の3大会に連続出場した経験を持つ北海道コンサドーレ札幌の小野伸二選定の11人を紹介する。

■モロッコは見ていて好感の持てるサッカーでした

今大会は優勝候補と評されるような国が苦戦を強いられているような印象が強いですね。世界各国の戦力が拮抗してきている証ではないでしょうか。グループリーグで敗退をしてしまいましたが、モロッコなどは見ていてすごく好感の持てるサッカーをしていましたし、決勝トーナメントでも見てみたかったチームですね。

そうしたなかで僕が選んだのは次の11人です。まずフォーメーションとしてはなんとなく3-4-3がふさわしいのかな、とも思うのですが、このメンバーならばどんなフォーメーションでも各自が状況を見極めてバランスを整えてしまうと思うので、配置はあまり気にしていません。

「マルセロは、福森のような役割で」

■GK
●マヌエル・ノイアー(ドイツ代表/バイエルン・ミュンヘン)
チームこそ残念ながらグループリーグで敗退してしまいましたが、あの守備範囲の広さはやはり見事ですし、攻撃にも積極的に関与していく素晴らしい選手ですよね。

■DF
●マルセロ(ブラジル代表/レアル・マドリ―)
ポジションこそ最終ラインですが、僕が選んだ11人のなかでの役割としては札幌のDF福森晃斗のような感じで、後方からのフィードやドリブルで攻撃を活性化させる役割を担ってもらいたいですね。

●セルヒオ・ラモス(スペイン代表/レアル・マドリ―)
1対1での守備対応の技術はもちろんのこと、そのキャプテンシーでチームをまとめ上げる部分も評価したいところ。

●シモン・ケアー(デンマーク代表/セビージャ)
フィードの能力が高く、最終ラインから攻撃の土台をしっかりと作れる選手。

■MF
●ルカ・モドリッチ(クロアチア代表/レアル・マドリ―)
●イスコ(スペイン代表/レアル・マドリ―)
やはりその運動量。それが豊富であることに加えて的確なゲームメイクもできるという、速攻、遅行を使い分ける戦術眼が見事ですよね。そしてディフェンスに回った際にも献身的にスペースを埋めるにとどまらず、個の力でボールを奪えるのが素晴らしい。
●ハキム・ジヤシュ(モロッコ代表/アヤックス)
この選手は良い角度でパスを受けに来たかと思えば、相手の背後に飛び出してパスを引き出すこともできる、非常にクオリティーの高い選手だと感じました。
●エデン・アザール(ベルギー代表/チェルシー)
自力でチャンスメークやフィニッシュができるだけでなく、周囲の良さも引き出せるハイレベルな選手。

■FW
●クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表/レアル・マドリ―)
●ルイス・スアレス(ウルグアイ代表/レアル・マドリ―)
●リオネル・メッシ(アルゼンチン代表/バルセロナ)

この3人はもう説明の必要がないでしょう。FWとしての一番大事な仕事である「点を取る」というプレーを常にやってくれる選手なので。あらためて、彼らの特徴を言葉にすることはしません。点を取ってくれる。とにかくそれに尽きますね。

グループリーグももちろんハイレベルで目の離せない試合が多かったのですが、やはりノックアウトステージとなる決勝トーナメントからは、本当の意味でのワールドカップが始まるとも言えるのではないでしょうか。とても楽しみです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180712-00010014-goal-socc