阪神が4日の中日戦(甲子園)を6―5で制し2位に再浮上した。8回に再昇格したばかりの大山悠輔内野手(23)が決勝打を放ち、4点差をひっくり返しての逆転勝ち。だが、先発した藤浪晋太郎投手(24)はまたしてもピリッとせず、球団も頭を痛めている。

 本拠地の連敗を6で止めた金本知憲監督(50)は「やっと来てくれたファンを喜ばすことができた。勝てなくて申し訳ない気持ちでいっぱいだったので、とりあえずはホッとしている」と胸をなで下ろした。

 そんな歓喜の輪に加われなかったのが藤浪だ。この日は6四球を与えるなど制球難が顔をのぞかせ、6回途中4失点で無念の降板。「フォームのタイミングが合っていなかった。悪いから打たれるではいけない。悪いなりに修正しないといけない」と反省を口にした。

これで本拠地・甲子園では昨年4月27日DeNA戦以来、1年以上勝ち星から遠ざかっているが、悩める右腕を救えとばかりに球団からは“ヤジ自粛”を願う声が噴出している。「期待が高過ぎるあまりにファンの方からのヤジは他の選手以上に厳しい。特にここ数年は際立っている。まだ20歳そこそこの若者。何とか温かい目で見守ってもらえれば…」(球団幹部)。

藤浪の登板日の甲子園は異様なムードになることが多く、ボール先行になるだけで場内が騒然となることもある。この日も4回、ビシエドへの一球が背中を通る暴投になっただけで虎党から「なんやそれー!」と怒号が飛んだ。
ふがいない投球に活を入れられるのは当たり前だが、藤浪の場合は過度のヤジになり、重圧になってしまっているという。本人は親しい関係者に「甲子園で投げるのは難しい…」と漏らしたこともあるようだが、その辛辣ぶりには他球団の選手からも「本拠地なのにあの言われ方はかわいそう」(あるセ・リーグ選手)と同情する声が上がっている。

さらに、この日お立ち台に上がった女房役の梅野隆太郎捕手(27)が「これから(藤浪)晋太郎のことをしっかり応援してくれれば、もっともっと期待に応えられると思う。バッテリーで頑張っていきたい」とファンに向けて異例の“お願い”をするほど。藤浪に少しでも楽に投げてもらいたいという球団を挙げての思いだが、果たして…。
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