日本代表合宿(3日、ロシア・カザン)追いかけても届かなかった相手の背中。滑り込んで出した左足も及ばなかった。ベルギー戦の試合終了間際にカウンターで3失点目を喫し、DF昌子源(25)=鹿島=の初のW杯は終わりを告げた。

 「あの瞬間(シーン)がずっと頭の中で繰り返されている。大会通してのことを思い出せないのに、最後のプレーだけを思い出してしまう」

 悲劇的な幕切れとなった一戦から一夜明け、昌子が悔しさを吐露した。

 大会直前にDF槙野とのセンターバック争いに勝利。コロンビア、セネガル、ベルギー戦で先発フル出場した。チームの主力級ではただ一人のJリーグ選手。1メートル82、74キロの体格で世界の一流選手とのガチンコ対決に挑んだ。だが、最後は約80メートルを懸命に走ったが、相手の速攻にあと一歩及ばず。「何を犠牲にしてでも、頼むから届いてくれ」との祈りも届かず、敗戦後は握り拳でピッチをたたいた。

 それでも大会を通したパフォーマンスは海外で高く評価されており、欧州の報道では、フランス1部、ストラスブールなどが獲得に動き出しているという。試合後、責任感の強い25歳は号泣し、こう宣言した。「いつか、日本のゴールを守る選手に、男になりたい」。
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