サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本がベルギーと接戦を繰り広げた3日未明、新潟市内の飲食店でも多くのサッカーファンらが固唾をのんで一進一退のゲームを見守った。

 常連客のために特別に営業時間を延長した新潟市内のアジア料理店「アラジン」では、試合前から「ニッポン」コールが響いた。先発メンバーに三条市出身の酒井高徳の姿はなかったが、男女約10人のファンの間からは試合開始のホイッスルと同時に「よし」「いけ」と大きな声援が飛んだ。

 前半を0−0で折り返したところで、新潟市の会社員、桶谷徹さん(26)は「ディフェンスのバランスが悪い気がする。ハーフタイムで直せれば」と厳しい表情で感想を語り、後半に期待をかけた。

 一方、同市中央区のイタリア料理店「ナポリ」では、ファンら約50人が詰めかけ、好きな選手のユニホームなどを着て応援。後半早々に原口が先制点を決めると、総立ちで喜びを爆発させた。同市の飲食店勤務、旭菜津美さん(28)は「ただただうれしいです」と笑顔。4分後には乾が追加点。店内には勝利ムードが漂い、史上初のベスト8入りを夢見た。

 ところがその後、ゲームは暗転。ベルギーが底力を発揮し、2点をたたみかけてゲームは振り出しに。

 「これがベルギー。でも、日本は闘志があふれている。まだいけますよ」。同市の会社員、井野元康太さん(20)は残る15分に望みを掛けた。

 試合終盤、川島のセーブ、本田のシュートとスーパープレーが出る度に店内がどよめき、抱き合って喜ぶ男性客の姿も。しかし、試合終了直前にまさかの失点。ファンらはしばらく言葉を失った。

 「悔しい」「惜しい試合だった」「よくやった」。ピッチで涙を見せる選手たちの姿がモニターに映し出されると、ファンの間から自然に拍手が起こった。

 すっかり夜が明け、朝日が差し込む店内。顔を上気させた同市の飲食店勤務、笹林智子さん(33)は「楽しい試合だった。ベスト16まで行って、夢を見せてくれた」と代表選手に感謝の言葉を贈った。

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